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職業訓練校と化した大学

大学とは本来、学問をするところですが、残念ながら、近年は職業訓練校と化しています(ただし、難関大学は除く)。

中堅~底辺レベルの私大のHPでは「就職率100%」、「○○資格合格率95%」などの文言が目立ちます。

専門学校じゃないんだからと思ってしまいますが、受験生と親が大学に求めるのは教育の質ではなく、良い企業に就職できることであるため、それも仕方ないことなのかもしれません。

したがって、就職に強い大学が良い大学になり、就職に有利な資格を取得できることが大学のアピールポイントの一つになります。

というわけで、大学は学生集めに看護・保健・福祉系の資格が取れる学部学科を作ったのですが、設置当初はそれなりに学生が集まりましたが、最近は定員割れがチラホラ見られ、苦戦を強いられています。

少子化の加速がものすごくて、高校生がいないから学生が集まらなくなっているのです。

学生が集まらないから、どんどん低学力層の学生をかき集めて定員を満たそうとするのですが、それも限界があります。

なぜならば、そのような学生には正直、資格系の大学のカリキュラムが耐えられないから、進路として選ばないからです。

資格系の学部・学科では、資格取得のために授業・実習がぎっしり詰まったカリキュラムです。

しかし、大学がターゲットとしている高校生層は進学校ではないので、大学入学後にこれまで真剣に取り組んだことのない勉強をしてまで資格を取りたいと思わないのです。

特に最近の若者はコスパとかタイパとかが好きですので、4年間勉強をがんばって手に職をつけることがコスパ・タイパに見合わないと感じるのでしょう。

大学としては学生確保のために資格取得を看板にしていましたが、今や、資格取得がダルいと敬遠され始め、資格取得の看板が経営の足を引っ張り始めるという何とも言えない状況に陥っています。

文科省は、学生数が定員の5割以下の学部がある大学について、学部の新設などを認めないと言っていますので、定員割れが深刻化する前に次の一手を打たないと、大学の改組にすら着手できず、もはや募集停止を待つのみとなってしまいます。


うちの大学(Fラン)も、各種の資格取得とそのための手厚いサポートを前面に出す戦略を展開していますので、何か手を打たねばなりません。

ですが、本学の経営陣はまだ「資格取得で就職に有利な○○大学」戦略から脱却する様子はありません。

閉学までのカウントダウンでしょうか。


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