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『静かにドッシリ構え、揺るがない軸をつくろう!』老子道徳経第26章 シンとの対話


老子道徳経と老子について
老子は紀元前6世紀頃の思想家で、彼の著作『老子道徳経』は『道(タオ)』と自然に従った生き方を説いています。簡潔な言葉で書かれた道徳経は、多様な解釈が可能で奥深く、自然と調和した豊かな人生の指針を得られます。このNOTEでは、メンターのシンと私ナオとの対話を通じて道徳経の理解を深め、新たな気づきを提供することを目指しています。


はじめに

2024年も暮れようとしています。
2024年は、みなさまにとってどのような1年だったのでしょうか?
私個人としては、未経験な仕事へと突入し苦戦気味でありました。
今日、ご紹介する老子道徳経の第26章は、そんな私にとっても非常に大きな励みでありアドヴァイスとなる章です。

空回りしてしまって、うまく物事が進まない、とか
忙しさに、自分をなくしてしまい、ミスを連発するとか
まぁ、私も色々と失敗を・・・。
それでも、人は様々な経験を積みながら失敗を重ね
少しづつ成長しつつ熟成していくものです。
それでも、なお、なかなかうまくいかない事もあるものです。
ではどうすればいいのか?
この章で老子は「静けさと、どっしりした自分軸」というものの大切さを伝えてきます。
それは、リーダー論でもあり、日常の私達の生活や仕事にも活きる言葉でもあります。

私のメンターである、シンとの対話を通し、ぜひ感じ取ってみてください。

老子経第26章 シンとの対話。

⚫️シン:  やあナオ。今日は、どんな話をしようか。

◯ナオ:  やあシン。今日は老子道徳経の第26章について教えてほしいんだ。原文と現代語訳、それに意訳も含めて、しっかりと理解したいんだよ。

⚫️シン:  なるほど、第26章だね。静けさと重さがテーマの、大事な章だ。じゃあ、まずは原文を一緒に読んでみようか。

原文
重為輕根,静為躁君。  
是以聖人終日行不離輜重。  
雖有榮観,燕処超然。  
奚萬乗之主而以身軽天下?  
輕則失本,躁則失君。

◯ナオ:  ふむふむ。でも正直、このままだと難しい・・・。現代語訳にしてくれる?

⚫️シン:  もちろんだよ。こんな感じになる。

現代語訳
重いものがあるから軽いものがあり、静かさがあるから騒がしさを抑えることができる。 だから、賢い人はどんなに忙しくても心の重みを忘れずに保つんだ。 たとえ派手な成功を手にしても、心は静かで落ち着いている。 どうして大きな国のリーダーが軽率に振る舞い、国を混乱させることができようか? 軽率であれば、本質を失い、騒がしければ自制心を失うんだ。

◯ナオ:  なるほど。なんとなくイメージはつかめたけど
「重さ」と「静けさ」って具体的にどういうこと?

⚫️シン:  いい質問だね、ナオ。この章のカギは、その「重さ」と「静けさ」が何を意味しているのかを理解することなんだ。次に、詳しくみてみようか。

「重為輕根,静為躁君」

 これは、「重さ」と「静けさ」が人生の土台だ、ということを教えている。  「重さ」は、物事の根本や土台を意味しているよ。君が木を見たとき、地面の下にある根が木を支えているだろう?それが「重さ」なんだ。  
 一方、「静けさ」は心の落ち着きや安定のこと。騒がしさに振り回されず、静けさを持って物事を治めるのが大切だ、ということだね。


「是以聖人終日行不離輜重」
賢者(聖人)は、どんなに忙しく動いていても、その心には「重さ」という土台を持ち続けている。君がたくさんの仕事を抱えていても、心が落ち着いているとき、物事がうまく運ぶだろう?それと同じだよ。

「雖有榮観,燕処超然」
たとえ大きな成功や栄光を手にしても、賢者はそれに浮かれたりせず、心を静かに保つ。成功や失敗に左右されないことが、賢者の特徴なんだ。


「輕則失本,躁則失君」
軽率になれば物事の根本を見失い、心が騒がしければ、自分自身を見失う。つまり、軽々しい行動や心の乱れは、自分の人生の舵を握れなくなる原因になる、ということだね。

◯ナオ: つまり、自分軸をしっかりとつくり、その軸に沿って冷静に落ち着いて判断して行動していく。それが賢者として重要だ、ということかな?

⚫️シン:  その通りだよ、ナオ。まさにそれが、この章が伝えている教えなんだ。君の言葉で言い換えると、こうなるのかもしれないね。

◯ナオ:  「静かにドッシリ構え、揺るがない軸をつくろう」って感じかな?

⚫️シン:  おお、それは素晴らしい!とても力強いし、わかりやすいね。伝えたいことがギュッと詰まっているよ。

さらに、現代の一般的な日本人に向けたメッセージにしてみよう。

現代の忙しい社会では、心の安定を保つことが重要なんだ。
どんなに忙しくても、心の中の静けさを忘れずにいることが
成功と幸せをもたらす。
また、たとえ仕事で大きな成果を上げても
自分を見失わず、冷静でいることが大切だよ。
軽率に振る舞わず、落ち着いて決断することが肝要だ。
軽率な行動は本質を見失い
騒がしい態度は自分をコントロールできなくなるからね。
だからこそ、重みを持ち、静かな心で、
自分の軸をしっかりと持つことが大切なんだ。

たとえ話で理解する

⚫️シン:  ちょっと想像してみてくれないか。君が舟を漕いでいるとしよう。舟には重りが必要だ。もし重りがなければ、舟は波に流されてしまうだろう。この「重り」こそが、自分軸なんだよ。

一方、「静けさ」は、君がオールを持つ手だ。もし君が焦ってガチャガチャ動かしてしまえば、舟はどこに向かうかわからない。でも、落ち着いてじっくり漕げば、波に逆らわずに進むことができる。舟を漕ぐ君の心が「静けさ」なんだ。

◯ナオ:  「重り」が自分軸で、「静けさ」が冷静な心か。たしかに、どちらが欠けても舟はうまく進めないね。

⚫️シン:  その通り。それを人生に置き換えれば、どんな波が来ても、君は揺るがずに自分の目的地に進めるはずだよ。


現代における応用

◯ナオ:  現代の生活でこの教えをどう活かせばいいんだろう?

⚫️シン:  いい質問だね。たとえば、こんな場面で使えるよ。

1. 焦ったときは、それを自覚し、深呼吸をする
 物事に追われているとき、一旦立ち止まって呼吸を整えるだけで、心の「騒がしさ」を静めることができる。自覚できるかどうか?それによって冷静さを取り戻せるように心の準備をしておけばいいんだ。

2. 自分の価値観を大切にする
他人の意見や流行に流されず、「自分にとって何が大事なのか」を軸にして判断することだね。

3. 他人と比べない
 比較は心を乱す原因になる。自分のペースで進むことが、静けさを保つ秘訣だ。目の前の事に集中しよう。

4.リセットしてみる
 森や海、静かな場所に身を置くことで、自然と心が安らぎ、自分軸を思い出すことができる。一度、環境を変えてみることだね、散歩に出たり、近所の公園でも、もちろんいいんだよ。

◯ナオ:  なるほど。静かにドッシリ構えた生き方ができれば、日々の忙しさやプレッシャーにも負けずにいられるかもしれないね。

⚫️シン:  そうだね、ナオ。この章の教えは、そんな「揺るがない自分」をつくるためのヒントなんだよ。

最後にもう一度、一言でいうと

◯ナオ:  「静かにドッシリ構え、揺るがない軸をつくろう」だね!

⚫️シン:  その通り!君の言葉でまとめられたこのフレーズが、とても的確だと思うよ。これからも、この軸を意識して進んでみるといい。どうだい、少し腑に落ちたかな?

◯ナオ:  うん、すごくよくわかったよ。ありがとう、シン!

⚫️シン:  こちらこそ。またいつでも話そう!

おわりに

今年ももう残すところ明日1日となります。老子のメッセージを読み解き、来年もまた新たに揺るぎない自分軸を創造していきたいですね。
今年出会えた皆様方、よいお年をお迎えください♪

最後までお読みいただき ありがとう!

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