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混沌と創造。タオとエントロピーの関係。


今日は、「タオとエントロピー」について。
私のメンターであるシンがやさしく教えてくれました。

シン>>

日常生活の中で、経験的に感じることのひとつに

「整理されたものは、やがて乱雑になる」

という法則があるよね。

たとえば、きれいに掃除しても、

しばらくするといつの間にかチリやホコリが溜まってしまう。

これは、秩序が時間とともに無秩序へと変化していく現象、

つまりエントロピーの増大だ。

他にも、氷が溶けて水に変わる現象や、

熱いお茶が冷めてぬるくなる現象も、

エントロピー増大の典型的な例なんだ。

この「秩序から無秩序への流れ」は、エントロピーの法則として知られており、

物理学や化学、情報理論、生物学などさまざまな分野で重要な役割を果たしている。

物理学では、熱力学第二法則に基づいて、

エントロピーの増大が熱エネルギーの自然な流れを説明する。

化学では、エントロピーを用いて化学反応の方向性を予測することができるんだ。

生物学では、生命の誕生や進化の過程をエントロピーの変化と関連付ける研究が進められている。

情報理論では、情報の量や伝達効率をエントロピーを使って評価する。

こうしたエントロピーの法則は、見えない微小な世界から、

私たちが日常的に観察できるスケールまで、多岐にわたって現象を支配しているんだね。

(ただし、この法則が適用されるのは、閉じた系においてのみ、という条件があるようだけど…)

さて、ここで少し考えてみたいのは、

宇宙全体や長い時間スケールで見たときのことなんだ。

一見すると、エントロピー増大の法則は「無秩序へ向かう流れ」を示しているように見えるのに、

実際には宇宙や生命が複雑で秩序ある構造を作り上げてきたという事実がある。

これって、エントロピーの法則と矛盾しているように感じない?

この一見した矛盾は、老子の「タオ」の概念を使うことで説明することができるんだ。

タオは、宇宙の根源的な原理を示す言葉で、具体的な形や性質を持たない。

タオは常に変化し続け、混沌とした状態でありながら、

その中に創造の力を内包していると考えられているんだ。

エントロピー増大は、一方で系の乱雑さを増やすけれど、

その裏には新しい可能性を生み出す力も潜んでいる、と解釈することができる。

つまり、エントロピーの増大は単に秩序が崩壊する現象ではなく、

新たな秩序や構造が生まれるためのエネルギーとしても捉えられるんだよ。

たとえば、生命の誕生は、無機物から有機物への複雑な変化、

すなわちエントロピー増加の過程ともいえる。

こうして見ると、エントロピーと創造は表面的には対立する概念のように見えて、

実際には深く結びついているんだ。

タオの概念は、エントロピーの増大と創造のプロセスを理解する鍵となり、

宇宙や生命の神秘に迫る手がかりを与えてくれるのではないだろうか?

お読みいただき、ありがとう!


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