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唐招提寺
唐招提寺に行ってきました。
ある日の朝突然に思いつき、母との弾丸日帰り旅行です。
母は、ず~っとずっと前から、行きたいと言いつつ、病気の父を置いては行けないとか、今日は体調が悪いとか、色々と「行けない理由」を連ねていました。
その日は天気が良くて過ごしやすく、母の体調も良いようでした。また、父も後押ししてくれました。
それで、ふと「行こうか」と思えたようです。
境内に入ったとたん、タイムスリップしてしまったように感じる、強力なお寺。
春の境内は新緑が美しく、一層素敵でした。
見たこともない日本人に仏の道を拓こうと、信念をもって海を越えた鑑真和上、本当に頭が下がる思いで一杯です。
御廟の燈篭で母は、鑑真和上からお言葉を頂いたそうです。母は霊感がある人なので、本当なのだろうと思います。
今回の旅で面白かったのは、色んな人に出会ったこと。そして、助けられたこと。
最初は、御廟で「今、中国から来たっていうお花が見られるんじゃないのかなぁ?」とにこやかに話しかけてきた旅のおじさん。
それはきっと、鑑真さまの故郷から送られてきたという、「瓊花(けいか)」のことだと思うのですが、私たちも分からず・・・
ちょっと会話を楽しんだ後、御廟の外に出ると、ビジネススーツを纏い、スマホ片手に大声で仕事の話をしながら足早に歩く男性がいました。
旅の装いの人々がゆったり歩く中、あの男性の周りだけ・・・東京みたい?
???でしたが、この人のおかげで、近道が分かりました^^
帰るころ、母は「もう歩けない。タクシーを呼んで」と言うのですが・・・唐招提寺から西ノ京駅は、歩けば10分ほどですが車だと1分もかからないような距離です。きっと、乗車拒否されるんじゃないかなぁ・・・
と、同じことを受付のおじさんも思ったようで、う~んと唸っていたところ、目の前をバスが通りがかりました。
ひょっとしてあのバス、駅に行きますか?と聞くと、行くよ、乗れるならあれに乗った方がいい、と受付のおじさん。
バス停から動き出そうとしていたのを走って追いかけ、両手を振って待ってくださ~い!と叫ぶと、親切にも止まってくれました。
もっと驚いたのは、走った私のすぐ後ろに母がいたことでした。なんだ、歩けないけど走れるのか・・・(笑)
駅に着くと、運転手さんは駅ですよ~と私たちに向けて言ってくれ、また、気付かずに帽子を落とした母に、バスに乗っている人々が、落としましたよ~と言ってくれて・・・旅人には、何気ない親切が身に染みますね。
そして、予約していた特急に乗り込みました。
特急では通常、特段声かけられることはないのですが・・・その時は車掌さんに、にこやかに、「どちらまで?」と聞かれ、そこでも少しだけ会話が弾みました。
自分たち以外の人たちと会話が弾む旅なんて、久しぶりです。
弾丸旅行だったけれど、楽しかったし、何より母を連れて行けてよかった。
母はこれに懲りず、「今度は法隆寺に行こう!」と言っています。
もう一人の母は、私にこう言います。
「ゆいちゃん、自分が楽しいと思えるような人生を過ごさなくちゃだめよ。人生は、あっという間なのよ」
そうね、仏様に会いに行こう!生きているうちに、身体が動くうちに。