クリティカル・シンキング③
第3回は初期仮説を検証し進化させる、結論付ける
について書いていきたいと思います。
■クリティカル・シンキングの全体像
①課題の特定・解決 (ロジックツリー)
②コミュニケーション(ピラミッドストラクチャー)
■課題の特定・解決のステップ(おさらい)
①イシュー(課題)を特定する。
そもそも何を論じるべきなのかを特定する。
②枠組みを考える
イシューに答えるために必要な枠組みを考える。
③初期仮説を考える
枠組みに対して仮の答えを立てる。
④仮説を検証し、進化させる。
情報を収集・解析し、仮説が正しいか検証を行う。
⑤結論づける
枠組みに対する答えを出し、各枠組みの答えからイシューに対する答えを結論づける。
■ステップ④仮説を検証し、進化させる
■仮説を検証し、進化させるとは何か
仮説の段階では、根拠で支えることができていないため、その確からしさがまだ分からない。
仮説と情報を行ったり来たりしながら、最終的に結論を導き出す。
■仮説の検証のポイント
根拠となる情報が十分にあるか、それが演繹的、帰納的に理論が成り立っているかを確認する。
自分にとって当たり前だと思っている「隠れた前提」がないかを押させる。
◆仮説に対する情報がを揃っているか?
「なぜそう言えるの?」Why?でチェックする。
◆情報は理論的に仮説に対する根拠となっているか?
「本当にそう言えるの?」True?でチェックする。
①時間的順序が正しいか?
②相関関係があるか?
③別の要因(第3因子)がないか?
■仮説の検証の注意点
①ファクトを集めすぎない
②精度を厳しく求めすぎない
③アンケートは思い出しやすさ(ドラマチック効果)による結果に注意する
④情報を検証する際にバイアスに惑わされない
⑤仮説を無意識に肯定する思考にならない
■仮説の進化させる時のポイント
検証した結果、情報が仮説の十分な根拠とならない3つのパターンがある。
◆より本質的なイシューが新たに見つかった時
イシューや枠組み、仮説を見直す。
◆収集した情報からは判断ができない時
情報の代わりに前提条件を置く。
◆収集した情報から仮説が間違っていた時
仮説を新たに置きなおす。
■ステップ⑤結論づける
■結論づけるとは何か
仮説が「確からしい」という状態になった時に、それを結論として確定する。
ビジネスでは全ての仮説を完全に検証することは難しいので、最も確からしい答えを結論とする。
■結論づける時のポイント
確からしいと言えるためには、3つのステップで考える必要がある。
①オプション(解決策)はなにか?
②判断基準はなにか?
③オプションの判断基準による、評価結果はどうなるか?
オプションは複数考え、このステップで根拠をもって絞り込むことが重要である。
■思考の軌跡 ~クリティカル・シンキングとは?~
結論が出た時、そこには「思考の軌跡」が残っているはずだ。言い換えると結論という宝に辿り着くための「宝の地図」だと言ってもいい。
イシューから結論に辿り着くために
①どのオプション(選択肢)について考えたのか
②なぜそのオプション(選択肢)を選んだのか
そして
③結論はイシューに対して直結しているか
この思考の軌跡を描くことができるのがクリティカル・シンキングである。