フランスひとり旅(5日目:いよいよマティスのロザリオ礼拝堂へ)
4日目からの続きです。
(旅の全体のスケジュールはこちらの記事でご覧になれます)
フランス一人旅の5日目です。今日はマルセイユからニースまでバスで向かい、旅の目的の一つ、マティスのロザリオ礼拝堂を目指します。
東横INNで朝食を
7時前 乗る予定のバスの時間が早いので起きてすぐに荷造りなどを終えてから朝食を食べに行きました。昨日から泊まっているマルセイユの東横INN、朝食も楽しみにしております。
ビュッフェスタイルとは言え、飲み物とハム・チーズは係の方がサーブしてくれるシステムでした。ホットコーヒーとオレンジジュースの他にチーズとハムなどを1枚ずつお願いした後、トレイを持ってクロワッサンとチョコレートのパンそして、ヨーグルトとベルギーワッフルを取りました。日本人かなと思われる宿泊客も数名いらっしゃいました。ロビーというか朝食スペースの壁に描かれた富士山に"日系"を感じつつエレベーターに乗って部屋に戻ります。
朝8時10分の高速バスでニースへ
7時45分 ホテルをチェックアウトし、階段を上ってマルセイユの駅に向かいます。昨日確認したのでバス乗り場へは迷わず到着。7時55分ごろになってやっとバスが入ってきました。
7時55分 職人気質風のドライバーにEチケットのQRコードを見せてチェックイン。トイレは駅の中で見つけられなかったを探したけどなかったため、バス車内入口脇のお手洗いで用を足して指定された席に行くと、知らないおばさんが座っておりました。で「1D」は私の席で窓側の席だって言ってんのに通じゃなくてステッカーも剥がれており言い合いに。「1 C」に座っていいと言うような話をされるが、私の席は「1D」だと言って譲らない。すぐ後ろに座っている老夫婦にも目で助けを求めたが特に何もしてくれない。「アジア人差別野郎どもめ」と思いつつ、まぁ格安のバスだからさもありなんかと思い直す。でも私は「1D」を死守。
8時10分 定刻にバスが発車。走り始めた後、「1C」のおばさんは後部の空席に移動。おかげで私はパノラマ席(公式サイトでオプション料金を払って予約した席)でゆったりと過ごすことが出来ました。
バスは出発すると、すぐに降りてきた遮断機に接触しそうになり急ブレーキ。座席問題といい幸先悪いです。
マルセイユを離れるにつれて、建物になされたスプレーの落書きなどが減っていくのを感じました。
天気は今日も曇り。「自分の席に他の人が座っている」問題もあり、バスの車内にはUSBのポートがあると書いてあったのに、1番前の席だからなのかありません。あまり良い心持にはなれないのは、安く移動することとのトレードオフなのでしょうか。バスは途中で何度か結構長い渋滞にはまりました。
10時55分 ニースの空港のターミナルには定刻から35分ほど遅れて到着。途中遅延に関するアナウンスもない。そういえば運転手真後ろのバックパックを取ってくれと途中で頼まれ渡してあげたら喜ばれました。
11時過ぎ バスが空港の近くに着くこと、これから向かう街に向かう路線バスも空港の近くから出ることを理由に、今日のホテルは空港の近くに取りました。でもトラムの切符の買い方がよくわかりません。空港にあるトラムの停留所では1dayパスが発券されていないようです。とりあえずホテルのある「パーク・フェニックス」と停留所まで行きホテルに到着。スーツケースだけを預けてまた停留所へ。
「ヴァンス」に行くのはどのバスだ?
11時25分 トラムのホームでやっと1日パスを購入できました。事前にダウンロードしておいた「リーニュ・ダジュール」の公式アプリとGoogleマップを用いながら四苦八苦。
9系統のバスが到着したのでバス停に向かったのですが、乗り方がいまいち分かりません。私がドライバーさんにヴァンスに行くのはこの9系統のバスでいいのかと聞くと違うと言われました。いまいち腑に落ちなかったのでGoogleの翻訳機能のアプリに話してもらい、同じ9系統でも次のバスがヴァンスまで行くということを理解。
つまり9系統のバスは15分ごとに出ているけども、距離の長い便と近くまでしか行かない便が交互にでるため、ヴァンスに行くのは30分に1本(平日)ということでした。
そしてやっとバスが到着。私はベンチに座っていたけれども、特に1列に並ぶと言う文化がないようでしたので、波に乗ってバス運転手横の読み取り機に1dayチケットをタッチし、1番後ろの左側の席へ。
途中でアウトレットモールみたいなところで結構な人が降りてました。
バスに乗って驚いたのは、順調に進むと途中の停留所をどんどん早発することです。坂道をどんどん登り、予定では1時間乗ってるはずだったのに40分弱位で終点のバスターミナルに到着しました。
「ヴァンス」に到着!
12時40分 ヴァンスの「Halte Routiere l Ara」停留所にバスが到着しました。ヴァンスの村については以下のサイトでご覧になれます。
バス停に着いた後、地図を見ながら旅の目的の一つでもある「マティスのロザリオ礼拝堂」は少し自らを焦らして後にとっておこうなどと思い、先に村の中心街を巡ってみることにしました。「ヴァンス美術館」なるものもあるらしいく(後で閉館していると判明したのですが)、興味がわきます。
12時50分 村の中心に近づき、「グラン・ジャルダン広場」まで進むと、雰囲気の良いビストロや、広場の中の露店は人々で賑わっていました。私もその露店で「ソッカ」と呼ばれるひよこ豆のクレープを食べてみたいと思いました。先に飲み物を買おうと思い、スーパーマーケット「MONOPRIX VENCE」で水とリンゴジュースを入手しました。
13時10分 露店に戻みると、なんとソッカは売切れとのこと。残念です。同じ露店でピザはまだあるというので3€で買いすぐ近くのベンチで食べることにしました。その後「おいしかった」と伝えて立ち去りました。
13時20分 村の真ん中のほうに歩きはじめます。なかなか趣深い、素晴らしい景色の街並み。今日は晴れていて気分もいいです。
「Porte du Pontis」のトンネルのようになったところを通って「クレマンソー通り」に抜けるとこちらにもビストロやお店があり賑わいを見せていました。
13時25分 「キリスト降誕のノートルダム大聖堂」に入ってみたり、彫刻がある建物に入って入館料を尋ねるとそこは役所で、観光に訪れる場所ではないと言われて出てきたりと、村の旧市街をあちこち散策しました。
村の北側にある「ポール・アンドレ」通りのベンチは外を向いており、山の斜面に点在する建物や、山の緑と岩肌、青空の景色を眺めることができました。
13時45分 また村の中を散策。時計屋さんにあった歯車の看板がかわいらしく、東京ディズニーシーのケープコッドにあるアント・ベグズ・ストアの猫に飴をやるおばさんの看板を思い出しました。
13時50分 たどり着いた噴水とその周りの雰囲気の良い角。ここがヴァンス美術館だとわかりました。ただ不穏な張り紙。閉館していることを知ります。残念。
いよいよマティスのロザリオ礼拝堂へ
13時55分 いよいよ、今回の旅の目的の一つでもあるマティスのロザリオ礼拝堂へと向かいます。
バスターミナルに戻る道ではなく、先ほど眺めた旧市街の北側の谷を一度下に降り、また登っていく道を選ぶことにしました。こうすればロザリオ礼拝堂が下から見えるかもしれないと思ったのです。しかし結局、道中から見ることはできませんでした。谷を降りて汗ばむ陽気の中、細い上り坂の道(「フォンテット」通りというそうです)を上へ上へと進みます。この辺りは高級住宅のように感じました。
14時10分 ついに、Googleマップで事前にチェックした道に出てマティスの礼拝堂を発見しました。やっと今日来ることができました。よくまあ日本からこんなところまで辿り着けなと感慨に浸ります。
14時10分 7€の入場料を払ってついに入館。平日だからでしょうか、予想に反して殆ど観光客がいません。一旦外に出て御手洗を借り(旅の途中でトイレを見つけるのが難しい)、まずはテラスを見学。
その後また同じ入口に外から回って入り直し、階段を降りてデッサンなどが展示された部屋を通っていよいよチャペルへ。(礼拝堂の中は写真撮影禁止でした。公式のサイトは以下のとおりです。)
14時30分 礼拝堂の中には3人の観光客。静謐の時間が流れていました。私も席に座ってみました。まずは1番後ろの椅子でじっくりと空間を味わい、次いで最前列の右端の席に移ってみました。左前方の奥の席とステンドグラスが見えます。そして今度は後ろの左側に座りステンドグラスを近くで見てみました。右側後方の角にはピンク色の可愛らしい扉があることに気づきました。
天井や照明も味わいました。壁面のタイルは光る貝殻のような質感で、ステンドグラスの鮮やかな光の色々が反射していました。これは写真には映らないだろうななどと思いながら30分ほどの時間をここで過ごしました。
その間、さまざまな国からと思われる観光客が代わる代わる入っては出ていきました。日本語を話す子どもさんにも会いました。
14時45分 再度テラスに出て建物を外から眺めた後、上の階に展示された上祭服も見てきました。
15時頃 お土産にこの礼拝堂のポストカードを購入しました。
そして、最後にもう一度だけ礼拝堂に身をおきたいと思い、再度下の階へ行きました。旅の目的の一つにもう一度浸りました。
15時30分 後ろ髪を引かれる思いで、ロザリオ礼拝堂を去り、ヴァンスのバスターミナルの方まで歩いて行きます。途中を大きな橋から絶景を見ました。ジョギングしている人に道を譲るとメルシーと言われ、良い気分で散策。
「ヴァンス」から「サン・ポール・ド・ヴァンス」へ
15時50分 ヴァンスのバスターミナルから655系統のバスで「サン・ポール・ド・ヴァンス」村に向かいます。このバスも当然「リーニュ・ダジュール」の路線だと思い、1day パスを読取機にタッチしたのですが反応しません。そして運転手さんにこれは違う会社のバスだと教わり2.5€を払って乗車。
今行ってきたばかりの「ヴァンス」と、これから周る「サン・ポール・ド・ヴァンス」、この旅の計画をしているときには同じ村なのかなと思ったりもしましたが近くにある別の場所でした。
16時過ぎ 「サン・ポール・ド・ヴァンス」に到着。高級観光地されているような雰囲気が感じられました。アイスを食べている人やペタンクを楽しんでいる人などがおり、高級な陽気さを感じました。
事前に調べたところによれば、敵からの攻撃に備えて、崖や山頂に作られた「鷲の巣村」というのが南仏には幾つかあるそうで、いまたどり着いたこの村もその一つです。
16時10分 城壁都市の入り口のほうを向くと大砲が早速お出迎え。英語の地図をインフォメーションセンターでもらってから、ふらふらと歩いてみます。
16時15分 村の城壁に沿って南に進むと、全部自分の責任 (full responsibility) というような注意書きを発見。城壁に沿って歩いてみることにしました。進んでいく途中から足がすくむ高さになってきて、引き返したくなっても後の祭り。最後まで進むしかありません。景色を眺めながら、すごいところに村ををつくったものだと思いました。
困難を乗り越えて空港近くのホテルに帰る
17時20分 そろそろニース空港の近くのホテルに戻ろうと思います。
655系統のバスで一旦ヴァンスまで戻り、9系統のバスでホテルまで戻ろうと思ったのですがバスがなかなか来ません。
そこで、653系統のバスでヴァンスに行こうと考えますが、バス停には「655」の表示だけがあり、Google マップで示されているバス停の位置も微妙に違っていたので、バス停を探そうと少し歩きはじめたところ、その乗りたかったバスが私を追い越してヴァンスのほうに去っていきました。
頻繁バスがあるわけではないので、反対側に来た655系統のバスに乗り、TER(国鉄)の駅まで向かうことにしました。1day パスを持っているリーニュ・ダ・ジュールの路線ではないので、また2.5€を払わなければなりません。
17時55分 「カーニュ・シュル・メール」のバス停で降車。ここで山から下りてくる9系統のバスに接続できることがわかったのですが、相変わらずGoogle マップの示す位置にバス停がありません。
18時過ぎ 太陽が照り付ける中、車が行き交う道をウロウロした挙句、9系統のバス停を見つけられなくて、TERに乗ることにしました。しかし駅にある券売機での切符の買い方が全く不明。
幸いフランス国鉄のアプリをダウンロード・登録してあったためアプリで購入しようとしますが、この日少し遅れがあったため、一筋縄ではいかず、何とか2.7€をアプリ上で決済し、やっと「カーニュ・シュル・メール」駅のホームへ。
伝統的なプラットホームには番線や次の駅の表示が見当たりませんでしたので、Googleマップがなければきっと乗れなかっただろうなどと思っていると、2階建ての4両編成の電車が来ました。
18時25分 TERに乗り3駅ほど。「ニース サント・ギュスタン」駅で下車。せっかく1dayパスがあるので、ここからトラムに乗ろうと思ったのですが、トラムの路線の分岐と乗り場の位置がまたGoogleマップと全然違うところにあり、まあまあ歩く羽目に。
18時40分 トラムでパークフェニックスまで行き、近くのスーパー、カルフールエクスプレスで今日の夕食を買います。「1664」と書かれたビールとトルティーヤみたいなもの2本、そして冷凍食品の牛肉とポテトとマカロニサラダを購入。レジを通したすぐあとお店の出口の近くにあった電子レンジで冷凍食品を温めてからホテルに戻ります。
19時20分 やっとチェックインし、朝預けたスーツケースを受け取り部屋へ。小綺麗な部屋でしたが、ポットや冷蔵庫がありません。B & Bホテルっていうのはこういう意味なのかと思いつつ、お湯が欲しいと言ってフロントに行くとコーヒーマシンのホットウォーターとコップを渡してくれました。
20時過ぎ 先ほど買ってきた食事を取ります。ビールは1本だけだけども疲れのせいかすぐに眠りが訪れました。照明を消し忘れた明るい部屋の中でも一睡魔に襲われていたことに気付きシャワーを浴び水を飲み改めて就寝。荷造りは明日にします。
明日はニースの町を歩き、夕方のTGVでパリに戻ります。
(6日目に続きます)