学習障害の子が学校で困っていること(国語編)
学習障害(LD)においては「読字障害」と「書字障害」が大きな部分を占めています。必然的に国語での困り感が出やすくなります。
国語において具体的にどのような困り感が出るのでしょうか。
①訓読みと音読みがわからない
漢字には訓読みや音読みなど複数の読み方が存在します。どのように読むか判断するには高度な情報処理能力が求められます。LDの子供たちは訓読みと音読みの判断が難しいことがあります。
ひらがなであれば、「あ」は「a」としか読みません。しかし漢字の場合、一つの漢字でも複数の読み方があります。例えば「上」は「うえ」「じょう」「かみ」など、複数の読み方があります。音韻の苦手さがあるLDの子にとって訓読みと音読みの判断はとても困難になります。
②漢字がうまく書けない
ひらがなやカタカナは書けても複雑な漢字が書けず、ついていけなくなる子が出てきます。画数が多い漢字やへんやつくりが複雑な漢字ほど苦手になる傾向があります。
これは「読めない」ことが原因というだけでなく、微細運動の苦手さが要因となることもあります。
③文章のルールがわからない
言葉を覚えていくなかで、様々なルールがあることを学んでいきますが、LDの子供たちはそのルールを覚えることが苦手な傾向にあります。文章に主語が抜けたり、主語と述語の順番がわからないくなることもあります。
この苦手は作文の苦手さにも繋がります。文章をまとめるには脳の高度な機能が必要になりますがLDの子供は文章を組み立てるルールを理解することが苦手な傾向にあるため、「て」「に」「を」「は」をうまく使えないこともあります。
④言葉の繋がりがわからない
LDの子は「いえにかえる」を「いえ に かえる」と区切ることが苦手です。言葉をひとまとまりとして捉えることができないため、「い え に か え る」と逐次読みになってしまい、文の意味を理解するが困難になります。
その他にも国語での困り感はたくさんあると思います。その子が何に困っているのか、正確に把握することがとても大切です。