贈りたくなる、好物の鉱物
料理番組がすきだ。
レシピを参考にする、というより
「そこに梅!?」とか
「パクチー入ったか~」など
言いながら見るのが好きなのだ。
そんな番組の中でも曜日と時間を覚えて敢えてチャンネルをあわせて昔から観ているものがある。
NHKの『グレーテルのかまど』だ。
瀬戸康史 扮する「ヘンゼル」の子孫が相棒の「かまど」と身近なお菓子やら初めて聞く異国のお菓子やらをそれにまつわるエピソードを交えながら作る美味しく観られる番組だ。
しかし、これ、番組名にもなっている姉のグレーテルは1度も姿を現したことがないのだがどういう訳なのだろうか。何らかの闇を感じる。
姉は本当に存在するのか、とか考えながら観るのもまたいい。
先日、いつものように番組を観ていると「琥珀糖」なるものを作っていた。
似たようなものを小さい頃に食べた記憶があるがどうやら格段に進歩を遂げていたようで、とても美しいお菓子が作られ紹介されていた。
「これを作ったら子どもが喜ぶだろうな」と思い、改めてレシピを確認する為ネットを検索していると続々と美しい琥珀糖の画像が出てきて、いつしかレシピ検索よりもその画像を愛でることに夢中になっていた。
これは…とnote内も検索してると
で、た
美しい。
お取り寄せ出来るようで、早速注文しワクワクしながら待った。
美しいものは見せびらかしたくなるもので、3歳の娘に見せると分かってはいたが「わたしもほしい!たべたい!」と主張してきた。
そもそも子どもの為にと思っていたのは、もう遥か昔のことである。
こんな取り合いもいつかこの琥珀糖のように煌めく宝石のような思い出に…
とか綺麗事は言えるはずもなく「大きいものは私の」や「みずいろちょーだい!」などみにくい争いは続いた。
仕方がない。
形が違うばかりでなく色ごとに味が違って、そのどれもが魅力的なのだ。
娘は「あしたも あのしゃりしゃりのきらきらたべようね」と約束を強いる。
◇◇◇
ついつい我を忘れ、欲張ってしまいそうにもなったが、美しく美味しいものは誰かに贈りたくなる。
春は近い、だれかになにかお祝い事はないかな。