みつい

町の不動産屋で10年程働いていました。 お酒を愛し、何でもよく呑みます。 繰り返し読むのは漫画なら「ジョジョ」と「スラムダンク」本なら「黒い家」と「白壁の緑の扉」 出てくる人名は大体仮名です。

みつい

町の不動産屋で10年程働いていました。 お酒を愛し、何でもよく呑みます。 繰り返し読むのは漫画なら「ジョジョ」と「スラムダンク」本なら「黒い家」と「白壁の緑の扉」 出てくる人名は大体仮名です。

最近の記事

晩ごはんは おでんだよ

今日はおでんを仕込もうと思います。 「なるほど、寒くなってきたし おでんにいい季節ですよね」 というわけではない おでんを仕込むわけ、それは 我が家に石仮面蒟蒻があるからダァッッ!! 石仮面とは私の愛する書『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくるその名の通り「石で出来た仮面」なのだがそれを蒟蒻で再現し売ってしまおうという素晴らしい企業があり、私はまんまとそれに乗っかってしまって今に至る。 この石仮面蒟蒻が我が家にあることは私以外まだ誰もしらない。夫や子どもたちには おでんのそ

    • 整形を告白されたなら

      町の不動産屋で働いていた。サザエさんでいう花沢不動産みたいな。 花沢不動産で社員らしき人物を見たことがない。あのお父さんが事務所にいるだけだ。とはいえ、物件の案内や契約で銀行に行ったり事務所を空けることもあるだろう。 その時は誰が事務所を守るのか、そう花沢さんのお母さんである、と思う。 花沢不動産は家族経営。 たまにしか見かけないがあのお母さん、しっかりしているように見えるので経理はもちろん宅建も取って花沢不動産を回しているのではないか。 私の働いていた不動産屋も社長の奥

      • 消えて欲しいぞこの記憶ッッ!!

        この世に『ジョジョの奇妙な冒険』という素晴らしい書物がある。 人間讃歌をうたい、ひとたび手に取りそれを読めば現実に起きているこの困難に立ち向かい戦おうという強い気持ちと覚悟が湧いてくる。 私の人生に寄り添ってくれているけれど、全ての記憶を消してもう一度読みたい気持ちもある。まだ読んでいないという人がいるのなら本当に羨ましい。 これからあの素晴らしい書物を一から読むことが出来るのだからゴールドエクスペリエンス。 で、このジョジョというのはちょっと目を離すとすぐに企業やら何やら

        • 伊勢海老きたりて夏がゆく

          今年も我が家に伊勢海老がやってきた。 どこから来るのかと言うと夫の実家からである。 伊勢海老には禁漁期があり解禁日があるらしく今は関西に住んでいる夫も私も同じ九州出身で、その地の伊勢海老解禁は9月中頃。 お義父さんが獲ってくるのか、その周りの親戚がくれるのかもよく聞かないまま毎年有難く頂戴している。 実家に住んでいる頃はこの季節になると、ご飯やさんから 「伊勢海老コースはじまりますよ」 の連絡がきて家族で出掛けて秋を感じていたのだがここ最近は自ら調理である。 初めて伊勢

          いま日本で一番マッチ売りの少女を探している女

          またとんでもない物がきたな うちの子へ市から幼児検診のお知らせが届いた。 幼児検診とは とあり、それ自体は私や家族だけでなく市という大きな力もうちの子を気にしてくれているのだな、という安心を感じることができ良いのだが今回問題なのは尿検査、だ。 ほとんどの国民が経験しているであろうあの検査である。 いま私の前には今までの尿検査人生で初めて目にする容器が市によって送られてきている。 何かが長い。 それはいい。 恐ろしいのは市から送られてきた封筒の中に探せど探せど容器のフタ

          いま日本で一番マッチ売りの少女を探している女

          この令和の時代に

          その日私は商店街を3歳の娘の手を引き歩いていた。 目的は買い物ではなく商店街を抜けた先にある公園なのだが、この商店街は良い。 シャッターが下りている店舗もあるにはあるが魚屋の活気の良い声がひびき、安いのに質の良い肉が置いてあるスーパーがあり、ライフより安く果物や野菜を置く八百屋がある。 夏にはソフトクリーム、冬には回転焼きを売る小さな店があり時々娘と買い物のついでに食べながら帰る。 そんな商店街を歩いていると 「あれ、いまなんか…」 なにかとんでもないものを目にした気がして

          この令和の時代に

          失われた鍵を求めて

          町の不動産屋で働いていた。サザエさんでいう花沢不動産みたいな。 私の担当は賃貸。 その主たる業務の一つが「物件案内」である。 お客様と一緒に目的の戸建てやアパート、店舗に出向きあれやこれやと説明するアレである。 来店されたお客様と「じゃあ、ちょっと見に行きますか?」と急に案内に発つこともあればネットや電話で予約が入り「週末はこの物件の案内」と心の準備が出来ることもある。 私は社内でも方向音痴と知られているのに、お客様を案内する営業車にナビなど立派な装置は付けてもらえぬ力な

          失われた鍵を求めて

          都農をくるくる

          8月、夏休み。 大阪に住む私は6歳と3歳の娘を連れて、地元九州に帰省した。 3週間ほどの長い滞在。子どもたちはいとこに会ったり、盆踊りに参加したり、海や花火と楽しんでいるようだが、私は少し退屈し 「たまにはちょっと遠出でもしようか」 と思い始めたある日の夕方、テレビでぶどう狩りの紹介をしていた。 そばで一緒にテレビを見ていた母親と 「いいね、行ってみる?」 「よし、ここへ行こう」 と、そのままの勢いで私の両親分も含めた人数で2日後にぶどう狩りの予約をした。 …してしまった。

          都農をくるくる

          セミの掴み取り、モヒート、来年の目標

          もう、虫取り網を持って駆け回れるような夏は戻ってこないんだな。 午前9時。 なのにすでに暑すぎてそんなことを思う。 全然関係ない話だけど、私は虫取り網がなくても素手でセミを捕まえられます。 今でも。 今日も我が子のためにクマゼミを捕まえていたところです。 暑いのに。 そんなことをやって、やつれきった1日の終わりに近頃はバカルディのモヒートをガブガブ飲んでいる。 ミントをガンガン入れたいところなのだが、家の近所ではスーパーのハーブ売り場でも花屋での鉢でも売っていない。

          セミの掴み取り、モヒート、来年の目標

          マグロ王

          九州の夫の実家から大阪の我が家に肉みたいなマグロが届いた。 いまの私より大量の立派なマグロを持つ者がこの大阪の地に他にいるだろうか、いやいない。 そういうわけで私は今日から浪速のマグロ王になった。 マグロがやってきた日、晩ごはんは既にもう終えていたので娘たちには明日のご飯に出すとして。 私が明日まで待てるわけがない。 前にもマグロをもらった時に  「これは捌いたばかりだから少しおいて食べたほうが良い」 とお義父さんに言われたけれどこの「少し」が素人の私には良く分からな

          マグロ王

          親愛なる 冴羽獠様

          顔に湿疹のようなものが出来た。 しばらく様子を見ようと10日ほどそのまま過ごしたが、良くなるどころか赤みが増したように見え、何より場所が顔の真ん中鼻の付け根の目立つところなのでいよいよ病院へ行こうと決意した。 この街で私はまだ皮膚科にかかったことがない。 なのでまずは『近くの皮膚科』と検索をしてみる。 狙いをつけた一番近くのクリニックの評価は☆3.1。 このクリニック一見すると平均的、可もなく不可もなくの評価に思えるのだがそのクチコミを見てみると星1と星5の数が群を抜い

          親愛なる 冴羽獠様

          【桃が十個で】富豪の冷蔵庫

          『桃祭に行ってきたので、桃を送ります』 というラインが九州に住む実家の母からピロリンと届いた。 何そのすてきな祭り。 と聞いてみると、早生桃の直売に桃ゼリーの振る舞いに何かが当たる抽選会に桃を使った商品の販売に、とその名に恥じぬ桃祭ぶり。 楽しみにしていたらその翌日のお昼にはもう大阪に住む私のもとに『はなよめ』という品種の桃が十個コロンコロンとやってきた。 冷蔵庫に十個の桃。 誰がなんと言おうとこれこそが富豪の冷蔵庫である。 私の幼い2人の娘も大変盛り上がり 「少し

          【桃が十個で】富豪の冷蔵庫

          始めないと終わらないので

          電話なんかしたくない。 歯医者の予約のはなしである。 しかもただの予約ではない。 オペ日の予約電話だ。 今年のわたしの一大イベントに 『インプラントを入れる』 というのがある。そう歯のアレ。 憂鬱過ぎるイベントである。 あれは今年の2月かそこら辺りだった。 まず並びの悪い2本の歯を抜いた。 その跡にインプラントが入るのだ。 麻酔がきれたあと、痛さで苦しんだ。 まさに七回転んで八回倒れるが如く苦しんだ。 比べるものでもないかもしれないが痛みで言うと出産のあれこれの痛みより

          始めないと終わらないので

          家電はなぜリレーするかのように壊れていってしまうのか

          洗濯機を買い替えました。 なんか【設計上の標準試用期間】ってやつが去年で切れていてその下の 「その期間過ぎたら発火すらするかもよ」 みたいな警告文が気にはなってはいたんですが、その期間ってのが7年なんでいくらなんでも短すぎじゃないか、と。 うちのばあちゃんちの二層洗濯機はこの前まで現役やったんよ、と。 使い続けていたんです。 その日はなんの前触れもなくやってきました。 日曜、晴れた朝。 洗面所で歯磨きをしながら「すすぎ」の表示をする洗濯機を見るともなしに見て「すすいでん

          家電はなぜリレーするかのように壊れていってしまうのか

          天井にあるものは

          町の不動産屋に勤めていた。 サザエさんでいう花沢不動産みたいな。 天気もよく気持ちの良い午後。 私は入居者募集中の空き家が汚くなっていないか、などの点検を終え営業車でラジオを聞きながら陽気に事務所へ戻っていた。 その時、バッグの中で携帯がブーブーと震えた気がしたので路駐して表示を見てみると 『事務所』からとある。 こういう電話は大抵良い連絡ではないので、さっきまでの軽やかな気持は消え失せ、重い気持ちで折り返しをすると 「田中さんからちょっと来て欲しい、って連絡もらってます」

          天井にあるものは

          腹を割って話そうか

          あれは4月のこと。 テレビを見ていると韓国のアイドルが 「こうやってするとお腹が11に割れます」 と言って可愛く微笑みながら腹筋のやり方を披露していた。 へぇ、今のトレンドは11字割れの腹筋なのか と思った後 よし、割ってみるか と今までアイドルにも腹筋にも興味がなかったのに本当にその時の思いつきでやってみることにした。 オラ悟空の腹筋よりだいぶ到達しやすそうな見た目だったからかもしれない。 何かが始まる時は大体こんなものなのだ。 こうして毎晩腹筋アンドストレッチ

          腹を割って話そうか