発症と無症状のあいだ
『無症状のPCR陽性者』、わりと普通に使われている言葉ですが、実は曖昧なものだと思っています。その内訳を考えると、おそらく以下の5種類くらいに分けられるのではないでしょうか?
ウイルスを保持していないが陽性。(誤検出)
感染力の無いウイルスを保持している。(時間が経っても発症しない。)
感染力の有るウイルスを保持した直後でまだ発症していない。
感染力の有るウイルスを保持しているが免疫により発症を抑えている。
発症後、症状が治まったがウイルスが保持されている。
この割合や内容については本来細かく分析・周知されるべきではないでしょうかね。全体の戦略に関わることですし。経済と感染対策を両立させるためにも必要な分析です。
それがされないあたり、本気でコロナ騒動を収める気はあんのかね、と疑ってしまいます。
で、今回の記事では3,4番目の『発症』について考えてみたいと思います。
◆初期症状について
まずはおさらい。
新型コロナの初期症状は厚労省のサイト(医療機関向けQ&A)によると、以下です。
引用部で使われている『感冒(かんぼう)』は『風邪』、『咳嗽(がいそう)』は『咳』。正式な文書だとこうなるのでしょう。
ともかく、散々言われてきたとおり、初期に臨床で新型コロナを特定することは困難。なにしろ症状は風邪なのだ。
◆『発症』とはなんなのか?
というわけで、新型コロナが発症したと認められるためには風邪症状が必要だ。
<発熱、咳、喉の痛み、鼻水、鼻づまり>のうちの複数が発症していれば、おそらく医者の判断で新型コロナ発症疑い(PCR検査要)となる。
ここで私は疑問に思う。
『どの程度なら発症なんだ?』と。
それぞれの症状は徐々に進行していくものである。
たとえば、デジタルの『0』が『1』に変わるように、完全に元気な状態から1秒後にいきなり熱が37.5度を超えゲホゲホ咳が出まくるわけではないのだ。
病院に行って、
「いやね、昨日からなんとなーく喉にほんの少し違和感があってね、咳が1日3回くらい出るんですよ。熱は平熱よりも5分高いくらいですかねー。」
とか言っても『発症だ!コロナ!PCR!』とは流石にならないでしょう。
おそらく『発症』に具体的な条件はなく、医者が総合して判断している。
発熱はともかく、喉の痛みや鼻水なんて定量化出来ないだろうし。
◆発症と無症状のあいだ
まあつまり、無症状といっても感染してるなら何かしら症状は出てるんじゃないの?ということ。ウイルスに攻撃されている(鼻腔など上気道でウイルスが増殖しまくっている)のにまったく症状が無いってわけあるかね。
ちなみに以下は感染研によるアルファとオミクロンの潜伏期間(推定)です。(なぜデルタとの比較じゃないのか、という疑問は置いておく。)
この図は濃厚接触者における接触・発症のケースをもとにデータ作成したと思われる。これによるとオミクロンの曝露から発症までの中央値は3日程度。短いですね。
曝露後、徐々に症状が現れ、2,3日で発症に至る。
その2,3日が発症と無症状のあいだということですかね。
◆おわりに
あらためて記事を読み返してみると、当たり前の事を書いているだけのように思えます。
とはいえ、風邪でもインフルエンザでも初動が肝心のように思えるのですね。相手が弱いうちに全力で対処する。それが出来れば重症化リスクが低減出来るのではないでしょうか?
そのために、自身の微妙な体調の変化には気を付けたいですね。
ちなみに、『(新型コロナ)発症』の正式な定義は探したのですが、見つかりませんでした。誰か知ってたら教えてくださると有難いです。
ではでは。