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マスクの漏れを可視化してみた!
以前自分の記事で『不織布マスクでも雑に着ければ最大96%以上漏れている』という情報を載せたことがある。
マスクのフィッティングの重要性をアピールするための情報引用で、心の中では『さすがにそんな漏れてるわけないわ!』と思っていた。
マスクの漏れは諸条件で変わるので『マトモなマスクとフィッティングならどの程度漏れるのだろうか』という疑問はあった。
これは試さなければならない。
マスクオタクとして!
ということで、今回の記事では、上記の疑問について実験した結果をまとめる。DIYにしてはうまくいったほうだ。
◇◇◇
ちなみに、新型コロナ感染への影響として『統計的にマスク有無で有意差が出ていない』という結果を私は知っており、それ自体を否定するつもりはない。
ただ、それなりに知識があるマスクオタクとして『私たちの場合も本当にそうなのだろうか』とは思う。
というのも、例えば『不織布マスク(サージカルマスク)』といったところでピンキリだからだ。
『何の変哲もない四角形の不織布マスク』と『漏れ対策と息のしやすさに工夫が凝らされた不織布マスク』では大きな性能差があり、日本の有名メーカーでは割と後者に近いマスクが多い。(海外の普及帯のやつは知らない。)
海外の大規模なランダム化比較試験(RCT)でどんなマスクが使われたか知らないが、『吸引する微粒子の量』に絞って考えるのならば、マスクの性能と運用によって全く異なる結果になる、というのが私の考えだ。
◆実験内容
表題で『マスクの漏れを可視化』と書いたが、正確には『吐き出した息の可視化』だ。
マスクの外側のフチ(フィルターとして機能しない箇所)に接着剤を塗布し、スーパーで貰える透明の薄いビニール袋の口元側を隙間無く貼り着ける。そして、目いっぱい息を吸った状態でマスクを装着し、普段と同じくらいの勢いで息を鼻からすべて吐ききる。ビニール袋は息で膨らむ。
これをすることでマスク(フィルター)を介して吐き出された息の量が大雑把にわかる。
そして、マスク無しで同様に膨らませたビニール袋と比較することで、だいたいの漏れ率を判断できる。
もっと良い方法があるかもしれないが、家にあった材料で考えた結果これがベスト。
◆実験準備
マスクは2種類。
個人的には評価の高い『aerumask(NafiaS)』(画像上側)と、まあまあ良い評価の『フィッティ 7DAYSマスク EX(タマガワエーザイ)』(画像下側)を使用。
![](https://assets.st-note.com/img/1650272433113-67DoaweveO.jpg?width=1200)
接着剤は『セメダインスーパーX』を使用した。
![](https://assets.st-note.com/img/1650272724003-LURDeD00sG.jpg?width=1200)
https://www.cemedine.co.jp/home/adhesive/superx/
以降の製作工程は写真を撮るのを忘れたので省略する。
◆実験結果
試したのは『普通』『雑』『強化』の3パターン。
結果(膨らませた状態)を順に画像で示す。
・『普通』
ノーズフィッターで鼻脇を塞ぐようにしっかり曲げ、その他極力隙間が生じないように普通に装着し、息を吐き出した結果。
![](https://assets.st-note.com/img/1650272987267-2LDN6Fl4vL.jpg?width=1200)
・『雑』
ノーズフィッターはV字に曲げるくらいで鼻脇に隙間が生じた状態。その他は普通に装着。
![](https://assets.st-note.com/img/1650273270418-YqQgxW3lAo.jpg?width=1200)
・『強化』
ノーズパッド+フック利用でフィッティングを強化した状態。
![](https://assets.st-note.com/img/1650273340818-u8ey3vuQmR.jpg?width=1200)
◆結果整理
写真を上から見た状態だけではわかりづらいため、実物を様々な角度から見たうえで、息の透過率と漏れ率を独断でざっくり数値化した。
ちなみに、マスク無しでビニール袋を息で膨らませた場合、ちょうどパンパンになるギリギリ手前くらい。(これを100%と考える。)
以下、息の透過率(括弧内は漏れ率)
・普通:
【フィッティ】55%(45%)
【aerumask】70%(30%)
・雑:
【フィッティ】25%(75%)
【aerumask】35%(65%)
・強化:
【フィッティ】75%(25%)
【aerumask】85%(15%)
◆所感
息のしやすいaerumaskのほうが良い結果となり、3パターンそれぞれに差が出た。
傾向としてはだいたい予想した通りの結果になったが、意外だったのは『雑』でも両方それほど悪くない結果になったこと。
おそらく100均の単純な四角形のマスクでやればだいぶ違う結果になるだろう。
ちなみに、今回は息の吐き出しで試したが、吸い込みの場合もっと漏れ率は少なくなるはずである。(隙間が閉じる方向に力がかかるため。)
◆おわりに
色々と試したが、結果は今まで書いてきたことの裏付けのようなものだ。
良いマスクなら息はしやすいし、ちゃんと着用すればそんなに漏れない。
マスクの効果を出せるかどうかは着ける人次第である。
ただし、漏れが少なかったところでウイルスは吸うので、感染自体は防げない。
また、感染者がマスクをしていたところで、くしゃみや咳などの瞬間的な大きな圧力では盛大に漏れる。
それらを考えるとマスクの有無でそうそう有意差が出るようなものでもない。
ただまあ、日本のメーカーのマスクは結構良いものが多い。(と思う。)
ゆるふわ耳紐とかやりすぎというか、ゆるいのは駄目だろと思うが、頬の漏れ対策や息のしやすさに関しては工夫されている。
日本は欧米と比較するとコロナの被害がかなり少ないほうだが、案外それがプラス要素のひとつだったりして、などと私は微かに考えている。
◇◇◇
ということで、マスク着けてる方は鼻脇の隙間にご注意くださーい。
なお、デメリットもありますし嫌な人は着けないで良いと思いまーす。