エルピス 9話 感想 考察 相克の関係が最終回の鍵に。

最終回は浅川恵那（長澤まさみ）と斎藤（鈴木亮平）の「相克の関係」が鍵になると思います。

斎藤が改心するのでなく、敵側として二人は向き合い、斎藤の弱みをついて悪の綻びを誘い出すのが、破壊行動までした村井（岡部たかし）を見てスイッチの入った浅川恵那だと思います。

斎藤は浅川恵那にラインを刻んで送りました。（6話）

別れの言葉です。

岸本（眞栄田郷敦）や村井はそれぞれスクープを取っていますが、浅川はほとんど何もしていないし何も持っていないです。
 
しかし唯一持っているのは斎藤のラインです。↓

「オンエアの後にしようかとも思ったけど、それだと余計に君を傷つけるかもしれない。ここまでにしよう。君も気付いていると思う。
 君と俺はいつの間にか相克の関係にある。
生半可な情理などで、それは埋められないものだ。
近い将来、君は俺を憎むことになるだろう。
それでもそういう君をこそ俺は好きだった。それはきっとこれからも変わらない。本当にありがとう。元気で。」

こんなことを証拠に残るラインで書くのはまずいですよね？

浅川は松本死刑囚（片岡正ニ郎）の冤罪を晴らそうとしていた。取材を行った者としてニュース8に出演する直前に、刻んできたラインです。

浅川と相克の関係になるからと別れを告げた斎藤は、それを機に大洋テレビ報道記者を辞めて、
大門副総理（山路和弘）の懐に飛び込んでいったのです。

つまり斎藤が相克の関係になると書いたことにより、冤罪事件に大門副総理が関わっていること、それを斎藤が知っていることの証拠となったのです。ラインが。

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浅川恵那はニュース8のアナウンサーなので、
局の方針に背いて冤罪事件を勝手に報道するのは良くないと分かっています。
しかもあれは岸本のスクープなので。

けれど政治コーナーを担当している斎藤を番組に呼ぶことはできます。

元々路チュー写真で二人が付き合っていたことは世間で周知されていて関心もあるでしょう。

（あの路チューも斎藤の画策かもしれません。冤罪を調べていた浅川をつぶす指示があったとか。浅川は飛ばされ、斎藤はその後、出世した。若い子なら情熱に任せて道でキスするけど、大人で冷静な斎藤が道でキスは不自然。）

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私の予想というか、こうだったら面白いという希望的妄想ですが。

ニュース8に浅川は斎藤を招きます。

浅川は、斎藤と最近まで二度目の交際をしていたことを、にこやかに雑談としてすることは可能です。

冤罪の報道をする直前に斎藤から「相克の関係になる。」とラインが来て別れたこと。
斎藤は報道を辞めて大門副総理の懐に飛び込んだこと。
それを浅川は生放送で話し、

「なぜ相克の関係と言ったんですか？」

と斎藤に聞くだけで良いです。

「あなたと私はどういう点が相克の関係なんですか？」

浅川恵那の捨て身の一撃で、斎藤から動揺を誘い、突破口は開けるのです。

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エルピスの脚本を書いた渡辺あやさんが言うには、
女性プロデューサーの佐野さんの人格を2つに分けたようなキャラが浅川と岸本だそうです。

そして佐野プロデューサーが一番弱いだろうなというキャラを想像して書いたのが斎藤だそうです。
佐野さんは「実際こういう人に痛い目にあってきた」そうです。

鈴木亮平さんが演じていることもあり、
斎藤は実は味方なんじゃないかという期待を持つ人は多いですね。

浅川恵那も斎藤が実は理想の為に動いているという期待を捨てきれません。

でも斎藤が（連続殺人やレイプの冤罪を隠蔽した悪のトップの）大門副総理を陥れるために暗躍したということになると、
浅川や岸本たちが主役ではなく、
斎藤が物語の華を持っていくことになってしまいます。

浅川が吐いている時に煙草を吸っていたり、
浅川が松本死刑囚の冤罪を晴らす為に動くのを邪魔し、ニュース8で取材内容を話す直前にラインを刻んできて「相克の関係」だと書き、
指輪まで渡しながら一方的にラインで別れを告げる斎藤の仕打ちを見ても、まだ彼に期待する人が多いのは、それだけ斎藤は魅力的なのでしょう。

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斎藤は野心家で計算高く政治的な動きに長けた人物ですが、浅川恵那への恋愛感情が無かったとは言えないと思います。

浅川が冤罪など追うのを諦め、自分の邪魔さえしなければ、恋人として愛していくこともできたでしょう。
（政略結婚の話があれば切り替えるでしょうが。）

浅川に理由を言わず別れることもできたのに、
相克の関係だと本当のことを言ったのは、斎藤の愛の一部だったと思います。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

さて私は大門副総理と名前の「雄」の文字が同じである滝川雄大（三浦貴大）が、
大門副総理の隠れた息子であり、真犯人は本城彰（永山瑛太）でなく滝川の可能性があると
7話と8話の感想 考察で書きました。↓

滝川は真犯人ではなくても、少なくとも隠蔽側の要の存在であると9話で感じました。

滝川は浅川を呼んで、岸本の冤罪のスクープ記事をユーチューバーに売って世間に出そうと提案します。

訝しがる浅川に、高く売れるし一石二鳥（岸本にもお金を渡す）と言います。

これだけ聞くと滝川はお金目当ての小物だと思えますが、嘘っぱちだと思います。

滝川くらいのテレビ局の報道記者のポジションならかなりの高級取りでしょうし、ユーチューバーから貰う程度のお金で会社の意に沿わないことをやるリスクを負うとも思えません。

自分が隠蔽側の要だということを隠したくて、
わざとお金のことを言ったと思います。

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物語の流れとしては岸本が村井から預かり、さらに自ら取材した大門副総理の娘婿で秘書の大門亨（迫田孝也）のインタビュー（過去の大門派の議員のレイプ事件隠蔽）を、
週刊潮流の佐伯編集長（マキタスポーツ）に持ち込み、
レイプ被害者の家族への取材をしてからじゃないと記事は出せないと待ったをかけられます。

佐伯編集長はほぼ黒だと思います。

なぜかと言うと、その後で大門亨は殺されますが、大門亨が岸本にレイプ隠蔽を喋ったことを知っているのは村井の他は佐伯編集長だけです。

大門亨の部屋に盗聴器が仕掛けられていた？
という意見もあるでしょうが、
大門亨は元警察で、大門が娘婿にするほどの人物です。

そんな人があんながらんとした部屋にいて、
盗聴器に気づかないのは間抜けすぎます。

佐伯編集長は岸本の自尊心をくすぐることを言って、うちに来ないかと誘いますが、浅川が忙しくて思考停止になっているのと同じように、岸本を飼い殺すつもりだと思います。

スクープ雑誌によっては、政権に不利なことがあるとそれを目立たせないためにわざと隠し持っていた芸能スキャンダルなど投入する、持ちつ持たれつの関係という噂をどこかで読みました。
（真偽の程はわかりません。）

佐伯編集長も登りつめた人なので、どんな裏があるかわかりません。

もしかしたら村井の破壊行動も、腐れ縁の佐伯編集長を疑ったことも理由の一つかもしれません。（見抜けなくて大門亨を死なせた自分への怒り。）

とにかく佐伯編集長は岸本に待ったをかけます。

そのすぐ後のシーンが、滝川（三浦貴大）が浅川を呼び出し、ユーチューバーに岸本のスクープを売ることを持ちかけたのです。

佐伯編集長と大洋テレビ報道記者の滝川が繋がっているんじゃないかと思います。

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岸本のスクープは決定的なものであり、
週刊潮流に載せることでさえ、本当はもったいないです。
ましてやユーチューバーとなれば世間の信用はそこまで得られません。

浅川が滝川に断って良かったです。

隠蔽側としては冤罪が真実かどうかなんてどうでもよくて、怖いのは大きな世論となって動くことです。

世の中の多くの人はやはりビッグネームのメディアを信じてしまうのです。

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例えば海外の情報をソースにコロ○ワク○ンの危険性を訴えるユーチューバーもいましたが、陰謀論として片付けられました。

しかし今は京都大学の福島名誉教授たちが危険性を訴え、ツイッターのトレンドにワク○ン後遺症があがり、薬害が多くなって隠しきれなくなりました。

統○教会と政権の癒着も陰謀論と言われていました。

ところがそれも本当だったのです。

ユーチューバーの報道を陰謀論としてレッテルを貼るのは簡単なことです。

もしそのユーチューバーが隠蔽側の滝川たちの駒だとしたら、たくさんお金を握らせて、冤罪事件を言わせるとともに、明らかにインチキっぽい陰謀論も語らせれば、まとめて陰謀論とレッテルを貼ることができます。

佐伯編集長が言うように権力は瞬殺で倒さないとだめなので、岸本のスクープが手垢のついた陰謀論とされてしまったら、軌道修正は難しくなるのです。

滝川はお金目当てじやなく、岸本のスクープの真実味を消すために、ユーチューバーに売ることを提案したんたと思います。

最終回の短い時間の中で、佐伯編集長も滝川も隠蔽側と知らせるのは、たったワンシーン、二人が密談しているところを誰かに目撃させれば良いのです。

✨♥️✨♥️✨✨

年収一億円を稼ぐ岸本の母（筒井真理子）も、
野心と地位の為に悪や嘘を飲み込んでニコニコしながら生きるタイプですね。

過去に息子の拓朗が伝えたいじめ問題も、有力者を敵にしたくないのでもみ消しました。

テレビ局を首になった岸本は、距離を置いていたママのところに戻って、ブランドの服など買ってもらっていました。

残念に思ったことは事実ですが、背に腹は代えられないんでしょうね。

岸本は頑張っていると思います。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

ニュース8のスタジオを破壊して暴れた村井のラストシーンが印象的でした。

人間的な弱さを見せて足踏みしてきた浅川恵那がそれを見て涙を流し、信念のスイッチが入って熱いものがほとばしるのを感じました。

冒頭に書いたように、最終回は浅川恵那が主人公として動き、活路を見出すでしょう。

最終回の予告動画を見ると、

「殺されますってマジで。」
めちゃくちゃ恐ろしがる岸本に、

「なんで殺されなきゃいけないのよ！」
浅川が力強く叫んでいました。

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村井はただ怒りに任せただけではないでしょう。

ニュース8の番組が終わった直後に乱入。
生放送中にはやりませんでした。

浅川恵那に見せるためもあるでしょう。

愚かな自分への怒りもあるでしょう。

自己顕示欲の塊だった村井が「誰にも渡したくねえよ」と墓場まで持って行くと決めた一生に一度の大スクープを、
岸本に預けたのに、こんなことになったのです。

♥️✨✨♥️✨✨

村井はニュース8スタジオを破壊します。

破壊行動を告発して罪になるなら、なんでそんなことをしたのかぶちまけてやる！と開き直っているてしょう。

それがわかるからテレビ局側は村井を首にするだけで、刑事事件にはしないと思います。

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大門亨の葬式の時、村井は斎藤に会いに行き、病死とされた大門亨は実は他殺であると言いました。

「引き返すなら今じゃないかな。でないとこの先はもう
戻ってこれねぇぞ」

斎藤に凄みをきかせます。

斎藤が突破口になるとわかっているのでしょう。

斎藤の表情から、他殺を知っているように見えました。
もう戻れないという表情のような。

大門亨が亀の餌をあげた後、ピンポンと鳴ったのでドアスコープから覗き、それから開けました。
そして誰かに引きずられて消えます。

あれはまさか斎藤ではないでしょうね。😱

いくら野心家でも殺人の手伝いをするほど愚かではないと思いますが。

殺人だと知っている表情なので、何かに加担している可能性はあります。

村井は自分が消される可能性もあるのに、わざわざ他殺だと斎藤に言いに行ったのは、大門亨が殺されたことで保身だなんだと言っていられないほどの卓袱台返し的な煮えたぎったものが、抑えられないのだと思います。

村井の役、最初は感じ悪かったのに、マイナスからプラスが効いて格好良すぎですね。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。😀

最終回が楽しみですね。

また感想を書きたいと思います。✨✨✨♥️♥️