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コントが始まる 4話 感想 考察

泣けたし、とても奥行きのあるドラマだと思います。
主人公たちと一緒に考えながら答えを探って生きています❤

瞬太(神木隆之介)の心の闇の背景は今回明らかになりました。
母危篤でSOSを出しできた瞬太に、つむぎ(古川琴音)は並んでブランコに乗りながら「顔も見たくないほどお母さんのこと恨んでるなら文句の一つでも言ってやりゃあいいじゃん。私だったらそうするな。だって逆襲する最後のチャンスなんだもんね」と言います。
この言葉が瞬太を動かします。

瞬太はSOSを送ってきている時点で、会わなければ後悔することは目に見えています。
でも葛藤があるのです。
そこをつむぎは見逃さず、けれど瞬太の気持ちになるべく寄り添った解答を言葉にして伝えているのです。
傷だらけの心を温かく包み込む人なんだと思います✨

今回、印象的だったのはマクベス三人の高校の恩師である真壁(鈴木浩介)のまっすぐで容赦ない言葉です。
「続けたほうがいいのか解散したほうがいいのか率直な意見を聞きたいなと思って」と潤平(仲野太賀)が聞くと、真壁は「解散したほうがいいと思うぞ」と答えるのです。
予想外過ぎて笑っちゃう潤平と春斗(菅田将暉)。
笑っちゃうのは受け止める自分自身の心の安定を無理矢理つくっているんでしょう😐

真壁は自分がそうだったから夢を追いかける辛さがわかると言い、「18から28までと、これから先の十年は別次元の苦しみだぞ。充分にやったんじゃないのか」と言います。

「遮二無二にやれよって言ってもらえると思っていたから。誤算だったな」
いざとなれば継げばいいと思っていた実家の酒屋も姉夫婦が跡継ぎになりそうで、十年つきあった彼女もいて人生の岐路に立った潤平の心は打ち砕かれます。

けれど真壁は「本当に伝えたいことは3回言うって決めてんだ」と焼き鳥屋で言いました。

「解散したほうがいいと思うぞ」
言ったのは一度だけです。

もちろん真壁の言ったことは本音で、奈津美の恩師でもあるから全体を見て言った言葉であり、こういった相談をしてくるってことは迷いがあることを見抜いているから壁になったんだと思います。
真壁だけに真の壁に。🙃

解散したほうがいいと言う真壁を乗り越えていくくらいの情熱が無いなら、本当に解散したほうが良いからです。
3話の感想で書きましたが三人のテンションが低いのが気になります。
一番マクベスを求めているのは瞬太でしょうが、瞬太は気持ちを隠すので、三人から情熱が見えてこなくて決定的なきっかけが生まれないのです。

ところで今回、ふたりの女性に関する気になる情報が提示されました。

一人目は潤平の彼女、奈津美(芳根京子)です。

マクベスの名前をつけたのは奈津美だったのです❗

2話で潤平のモノローグで語られたように、高校の文化祭でコントをやろうと思ったのは奈津美のためです。
「笑わせたい人間は奈津美一人しかいない」
「奈津美にできる精一杯の求愛行動が誰よりも笑わせることだった」

潤平と春斗のコントを見て、奈津美はとても楽しそうに笑ってくれました。

春斗が真剣にコントをやりたいと誘ってきた時も、潤平は「冷静になって断るべきだった」と思っていたのに、気持ちを変えたきっかけは奈津美からのメールでした。❤
「コント最高に面白かった! 潤平が初めてカッコ良く見えました」
これで潤平は春斗の誘いを受けたのです。

マクベス誕生は大げさでもなんでもなく奈津美の存在に原因があったことが、この4話で更に強調されたのです。
脚本家の金子茂樹さんはミスターパーフェクトじゃないかと思えるほど、計算し尽くした練りに練られた脚本を書くので意味があると思います。

今回「瞬太の母ちゃんは一度も見に来ることはなかった」とマクベスのライブの客席を映します。
里穂子(有村架純)が見に行った時も客席が映りました。
奈津美はいないのです。

脚本家の金子さんはよく対比させます。
この4話でも生と死に立ち合う三人を描いています。
十年前は真壁先生の子供の誕生で瞬太は涙を流します。(母との問題を抱えていた。)
十年経った今は瞬太の母の葬式です。(母とは最後に和解できた。)
ともに瞬太が運転する車で春斗と潤平が同乗しているのです。

このような描き方から考えると、奈津美が今はマクベスのライブに来ないことと、十年前は楽しそうにコントを見たこととは対比されていると想像できます。

奈津美は潤平を好きなので「続けていい」と言ってくれたけど、今は本当の意味ではマクベスを応援したい気持ちではないと思います。
応援したいなら会場へコントを見に行くでしょう。

久しぶりに会った真壁に会社の愚痴をたくさん喋ったという奈津美。余裕がないと思います。
だからこそ真壁は「奈津美は絶対大丈夫だから。遮二無二にやれよ!」と力づけてあげたのです。
「まだ潤平にするか決めてないし」と冗談めかして奈津美が言ったのも、他の男性が現れる暗示だと思います。

もしマクベスにとって何か強いきっかけがあり、奈津美がもう一度ライブに現れ十年前のようにコントを見て笑顔になれたら、マクベスにとっては転換期になるんだと思います🙂

その強いきっかけになりそうなもう一人の女性のことが、この4話で語られました。
里穂子の妹、つむぎ(古川琴音)です。

つむぎは「捨て猫だけ他のコントと毛色が違うよね」と呟き、マクベスのコントをかなり見てきたことがわかります。
中高で野球部のマネージャーを6年していたつむぎは、つむぎから球を投げてもらうとスランプから脱出できると評判になり伝説のマネージャーとして崇められた過去があります。

ここにきてこのエピソードを入れてきたということは、つむぎがマクベスのマネージャーになるフラグが立ったんじゃないかと思います。
けれどつむぎがいくら伝説のマネージャーでも甲子園に行かせるほど奇跡の女神ではなかったので、マクベスがどこまで売れるのかはわかりません。

つむぎは潤平のためにつくったミートソースをさり気なく負担にならないよう出し、ついでに居候した先輩にも出して、自分はソースが無くこっそりしょうゆバターで食べるほど献身的な女性です。
野球部のマネージャーを辞めた後は燃え尽きて空っぽになりました。
もし、つむぎがマクベスに情熱を注いだ場合、つむぎの犠牲的精神がすり減らないかどうか心配です。
今度は姉の里穂子(有村架純)が支える番でしょうか?

つむぎを健気に思ってぎゅーっとする里穂子が素敵です❤

里穂子と言えばマクベスのガチのファンすぎて、なかなか春斗との距離は縮まりそうにないですね。
春斗がせっかく兄のこと、マクベスを続けるか悩んでいることなど心を許し始めて心情を吐露しているのに、
「続けましょう! 続けてほしいです!」と力こぶを入れすぎて、春斗にドン引きされています。

これでは完全にオタクなファンにしかなり得ません。

ファンはただただ好きで妄信しているだけで人生には関わりません。
奈津美や、何年もライブに来ていないと言っていた真壁はファンじゃなく彼ら三人の人生を考えているから、応援すると決めない限りライブには来られなくなるのだと思います。

「大切なことは3回言うのに1回しか言ってないじゃねーか、解散したほうがいいって」
真壁先生が帰った後でもいいからツッコんでほしかったですね。
そうしたらブレイクショットになるのに。
潤平はいっぱいいっぱいだから無理だけど、春斗にツッコんでほしかったなぁ⭐

マクベスよ、真壁の壁を乗り越えろー❗

1話から3話の感想も書いています。

次回も楽しみに見て感想を書きたいと思います。

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