見出し画像

silent 7話 感想 考察

どんなに好きな人であっても「もはやここまで」と思ったら、「美しく引く」引き際が大事だと思う。

素敵な思い出を汚さないためにも、
そしてもしかしたら(良い女だったな)と後悔させてやる余韻を残す密かな楽しみのためにも(笑)

湊斗(鈴鹿央士)の引き方はかなり早めだったので、あれが現実なら後悔する可能性もあるけど、

奈々(夏帆)は嫌なことも言っちゃったり、
相手の女性→紬(川口春奈)に会いに行って思わず毒を吐いたり、計算ではないけどスマホを耳に当て想を見つめて泣いたりしたので、
やるべきことは全てやりました。

泣いている奈々。

困惑する想(目黒蓮)


去って行く紬。


奈々も去って行く。

振り返る奈々。すると。

想は紬を追いかけた。

もしも想が奈々を追いかけたら?

奈々は想を思い切ることができなかったし、
紬の心にも想への不安や不信感が巣食う。

奈々が純粋に想の友達なら、泣いている奈々を追いかける選択肢もあったでしょうが、
奈々の気持ちが恋ってことを、三者全員知っている。

恋心を持つ二人の女性が右と左に去るなら、
好きな人を追いかけるのが恋に対しての真摯な対応。

想が紬を追いかけたのを見た奈々は、きっぱり吹っ切っることができた。

何年もずっと大好きで、でも相手にはその気が無くて、気持ちを悟られないようにしながら友達として手を繋ぐこともなく、並んで山を登ったこの年月。
どこまで登っても相手の恋心は自分に向けられず、頂上が視界に入って来ない。

崖の前に立ち、取り乱して毒を撒き散らしてしまったけど、

新しい風に吹かれてみると。

ゆっくり降りて行けばいいんだ。私も。

登るより降りる方が楽ちんじゃん。
強がってみる自分を好ましく思ったり。

終わりの見えない片思いが終わる時がやって来て、
吹っ切ることで視界が開けた気持ちになったと思う。

借りたまま「つん読」になっていた本をまとめて返しに行った奈々の行動力は清々しい。

好かれたくて面白いと言ったけど本音は面白くなかった、と伝えてさっぱりした気分になったと思う。

図書館で子供を抱っこした想を見た時の奈々。


夢のずっーと先には結婚もあったでしょうし、
私の好きな人は子供に温かく微笑む素敵な人だったなあとか、聴者の子供と意思疎通できてるね、など様々な切ない感情に揺さぶられ、見つめる奈々の最後の未練が映し出された。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

紬は恋の勝者なのに奈々を呼び出して、想を救ってくれたお礼を言うなんてマウントが過ぎる、
無神経だという意見も多い。

でも当事者の奈々は紬がまっすぐに言葉を伝えてきたことに、柔らかく理解を示した。

これは論理的に考えて整合性が取れている。

奈々は紬を待ち伏せしてカフェに連れ出した人物だ。(ついでに毒を吐いた。)

自分がそういう行動をする人だから、紬の行動も不快に思わない。

紬の行動を無神経と感じるタイプの人は、奈々のような行動もしない。

だから両者を無神経だと嫌悪感を感じた人もまた整合性が取れていると思う。

でも感想を読むと、奈々の行動は温かく見つめ、紬の行動だけ無神経だと言う人が、けっこう多いように感じた。

奈々に対して特別に感情移入しているから起きる感情なんだと思う。

なぜ奈々に特別に感情移入する人が多いのか?

女優(夏帆)の演技力。

ろう者である役柄への同情。

これはどうしたってあると思う。

そして大きなポイントとして、奈々に感情移入するように脚本と演出が6話では仕向けられていたことが大きい。

奈々の切ない気持ちが6話で最大限に描かれた。

ほとんどの人が伝えなかった恋も含めれば失恋の経験はあるだろう。

視聴者の自分自身の失恋の経験が重ねられ、
6話の脚本と演出(憧れの想と青いハンドバッグの夢)が素敵に切なく描かれ、感情が誘導されやすい状態にあったと思う。

紬にしたって、あんなに手話が上達した陰には睡眠を削って頑張って練習した裏エピソードもあったはずなのに、
紬に感情移入しそうなシーンはいっさい排除され、奈々劇場が6話で繰り広げられた。

✨✨♥️♥️✨

不安定な世界情勢に伴い、最近よく思うのは、
人は映像によって感情が揺さぶられ、感情論となって大きく誘導されやすいということ。

例えば戦争が起きる背景には両方の国の言い分があるのに、ウク○イナの悲劇ばかり報じるメディアに誘導され、ウク○イナに同情して募金してしまう人たち。

募金するのは戦争に加担することと同じだと深くは考えず、日本に戦争参入させたい勢力の誘導、偏ったメディア報道に踊らされる。

A元総理が暗殺された事件の後、自○党に同情票が集まった。

これも感情論でメディアの誘導だ。

事件を起こしたことは許されるべきではなく、
容疑者も自分の命を差し出す覚悟で起こした事件だと思う。
罪は罪として償う必要がある。

でも、あの事件で政治とカルト宗教の癒着が公になり、
隠されていたオリンピックの利権なども表ざたとなり、
カルト宗教の教義とそっくりな憲法改悪が行われようとしている危険性を知ることができた。

なんのこっちゃという方はツイッターで
#ヤバすぎる緊急事態条項
で検索してください。

世間にそれらが周知されることがなかったら怖ろしいことだった。ゾッとする。

そのことを踏まえて考えれば、同情から単純に投票して良いはずがない。

殺されたことに対する同情と、
投票(党への支持)は分けて考えなければならない。

でも多くの人たちは感情論に流され、映像(報道)に誘導され、「思いやり」という言葉に騙され、少数派を排除しようと同調圧力までかけてしまう。

✨♥️✨♥️✨

silentは単純な群像劇にはおさまらない実験的なドラマだと思う。

様々な役柄が代わる代わる主役のように光を当てられ、
人間の心の奥の利己的な部分まで照らしていく。

受け手によって見え方が違って見える。

純文学的なドラマだと思う。

ちなみに私は紬に会いに行った奈々の行動も、
奈々を呼び出した紬の行動も、現実と照らし合わせれば自分はしない行動であるけど、
どちらにも嫌な感情は持たない。

ドラマを動かすのは人物の行動なので必要だと思っている。

空気を読み合うのが今の日本の主流だけど、
読みすぎるのは良くない。
空気を読むことを人に求めることも良くないと思う。

自分で解決しようと動く奈々や紬は新鮮で悪くない。

私は誰かに感情移入するより、物語を俯瞰して楽しんでいるからでもある。

♥️✨♥️✨✨♥️

奈々が手話教室の教師、春尾(風間俊介)に会いに行ったことはとても気になる。

手話教室のポスターを見つめる女性に声かけた春尾は驚いた顔をして「久しぶり」と言った。

奈々が会いに来るとは思わなかったのだろう。


でも春尾は知っていたと思う。
紬と奈々の関係性を。

奈々にお礼を伝えるための手話を、紬に教えたのは春尾だ。

手話の中で「奈々さん」と名前を言うところもあり、ろう者で奈々という名前で年齢を考えれば、過去に自分が知っている奈々のことだなと推測する可能性は高い。

多くの視聴者の予想通り、奈々と春尾は過去に恋人関係か、それに近い関係性があった可能性は高い。

なんなら春尾はいろいろ聞き出すタイプの人だし、紬は(春尾が奈々と関係があったなんて知らないから)聞かれるままに喋るタイプだと思う。

春尾はもしかしたら、想を好きになった奈々に、想と奈々が出会ったあの頃、振られたのかもしれない。

そして今、奈々がどういう状況に置かれているか、紬の話から知ったのだと思う。

でも奈々が会いに来てくれるとは思わず、驚いた顔して「久しぶり」と言ったんだと思う。

♥️✨♥️✨🙂♥️

紬から奈々への手話の言葉。

「私はこの8年、ただ元気にしているかどうか、それだけ心配でした。また会いたいとかより、とにかく毎日誰かと笑って過ごして欲しいって。それだけ願ってました。」

これは紬の言葉であり、春尾から奈々への言葉(メッセージ)だったのかもしれない。


奈々はそれを感じたんじゃないだろうか?

「全部手話確認してもらったの?」と奈々は聞いた。

「手話教室の先生に訳してもらって」と紬は言った。

奈々が春尾に何を伝えに行ったのかはわからないけど、
久しぶりに会いたいという行動を起こすきっかけが、
(春尾が教えた)紬の手話だったと思う。

「どうしたって僕は聞こえるので、ろう者同士みたいにわかりあえないです。」
と春尾は同僚教師に言っていた。

聴者とろう者の壁を破ろうと手話を頑張る紬のひたむきさに、奈々は素直に心を動かされたことも、春尾に会いたいと思った理由の1つだと思う。

♥️✨♥️✨♥️

紬が奈々に会いに行った時の毛糸のカーディガン。
グリーンがベースに茶色が入っている。
縫い目が外にあるデザイン。


3話の時も着ていて、仕事場でも着ていて、想に抱き締められるラストシーンでも着ている。


紡の台詞を書きとめるために一時停止すると、
袖の方が毛玉っぽく見える。

タワレコのバイト先でも袖の方がほつれっぽく見える。

以前私がメルカリをやっていた時、
好きなブランド、素敵なデザインのカーディガンを見つけ、
「未使用に近い」
「一度だけ着ました」
を信じて購入したところ、
届いたそれは毛玉だらけでびっくりしたことがある。
それ以来「未使用に近い」は信じなくなった。

なーんて、でもさすがにドラマでヒロインが着ているカーディガンは毛玉じゃなくて、
そんな感じの素材なんでしょうけど。

チチカカで売っていそうなエスニック風のカーディガンかな?

でも、かなり着込んでいるのは間違いなさそうだ。

あれだけ同じ服を着ていたら、新しいスカートだって湊斗もすぐ気づくのは当然だし、
珍しく服を買い物したんだな(想のために。)と思っただろう。

紬は弟のことで経済的に負担していそうだし、
バイトでお金もあんまり無いのかな?と思う。

白のオーバーオールも着てたけど、20代半ばで買うかな?
高校生の時の?
紬ほどスタイルが良くてもボテッと見えた。
もしも昔の服なら、かなり物持ちが良い。


主役である紬への感情移入とか同情させること(紬の苦労等)は控えめにあまり出さないようにしている。
不思議なドラマだなと思う。

✨♥️✨♥️✨

紬と想は燃え上がる感じがしなくて、なんだかいたわりあっている老成したカップルみたいで、ラストのハグも

これってラブシーンだよね?

ちょっと違和感があった。

想はかなりプライドが高く傷つきやすくて難しい。

想と紬。

情熱が今後描かれるのか?

情熱は描かないのか?

淡々としているけど恋と呼べるのか?

恋じゃなくて、もはや愛なのか?

過去のキラキラした紬と想は遠く感じる。
(キラキラを求めているわけではない。)

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

紬の親友の真子(藤間爽子)

湊斗のこと好きなんじゃないかな?

紬に電話を代わる時、湊斗の声が聞こえるようにハンズフリーでスピーカーにしたよね?

紬は別にハンバーグをこねていたわけじゃないし(笑)、ハンズフリー(スピーカー)にする必要ないと思う。

普通にスマホを紬に貸してあげれば良い。

紬は (あれ?スピーカーにされた?何で?)
と訝しがるタイプじゃなさそうだけど(笑)

真子は席を立ったけど、紬が真子に戻そうとするとすぐ来たし、話を聞いていたと思う。

真子は湊斗を好きだから、湊斗の良さを熱弁したのもあるのかな?

だからって湊斗と真子にくっついて欲しいわけじゃない。

紬と想をもっともっと掘り下げて欲しいので。

結末が恋の成就でも破局でも。どちらにしても。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

紬が真子に悩みを打ち明けるシーンが印象的だった。

紬「元々聞こえてた人だと声で話す人が多いらしくて、普通は声で話すって。手話使わない人が多いらしくて。」

真子「普通ねえ」

紬「多いってだけでそれが普通だって思いこんじゃって。それで佐倉くん何でだろうって気になって聞いちゃって。
少ないって、いるってことだもんね。いるよね。いるのに。やっと目の前にいてくれるようになったのに。」

恋人と友達は違うので、恋人は相手のことを知りたい気持ちが強いし、気になることは聞いても良いと思う。
 
思う。思うけど。
(このドラマの台詞はこういう感じなので真似してみた。☺️)

多数派が正解とは限らない。

人の数だけ答えはあるし、

変わり者と思われている少数派が正しいことはあるので、決めつけは良くないと思う。

紬はそれに気がついたんだと思う。

✨♥️✨♥️✨

例えばマスクを多くの人がしているのは、
今は日本だけ。

そして日本がどうなっているか?
海外の情報を調べてみることも必要で、
多数派が正しいとは限らないことに気がつくと思う。

Pの検査の陽性イコール感染ではない。

もう新型でもなく弱毒化した風邪。

怖がっているのは日本だけ。

↓ こんなに7が並ぶって、どんな確率?😂

♥️✨♥️✨♥️✨♥️


読んでくださり、ありがとうございます🙂✨♥️

よろしければスキ♥を押してくださると嬉しいし、励みになります。💟😍

また感想を書きたいと思います🍊🙂