竹宮恵子「風と木の詩」について 所感
風と木の詩について書く!と予告してから、遅くなってしまいましたが、書いていきたいと思います。
素直に面白いです。世界観にぐっと引き込まれます。
絵柄に関しても、やはり時代は感じますが、美しさは全く引けを取らない、流石だなと思います。
何ヵ所も、ここ手元に保存しておきたいっ!って思うシーンがありました。
キャラクターも典型的なBLキャラみたいなのがいっぱい出てくるだけかと勝手に想像していたのですが、どの男の子も魅力的でした。
あの、少年の年頃特有の不安感や、誰にも理解してもらえないという孤独、自らの話せない過去の傷や悩み、初めて向き合う自身の体の変化への葛藤にもがく姿、戸惑いをすごく丁寧に表現している作品だと感じました。
20代を目前にした私でも、読み進める度に何度も「うわーーーー」ってひとりでじたばたしてました。わかりみが深すぎて。少年時代は経験してないはずなのにね。少女だった(?)から
ただ、作品に出てくる少年達と同じ年代、少女と呼ばれる時期に私も読んでいたら、もっと共感が強かったのかな、なんて思ったりもしましたが
それでも、やっぱり今のこの年齢だから読もうって気になった側面は否めないし、だからこそ当時の自分を思い出してもどかしく、時に共感しつつも読むことができているのかもしれません。
ジルベールの思考は共感や理解はできても、その行動や在り方、過去をリアルに身近に感じられるのは、なんだかんだ今だからこそって感じはするものね。
ぐだぐだ書評になりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました