お尻がつらいよ
「ここ、ここに鍼してくれ」
と自分の足のツボを指さす
もう鍼灸のベテラン患者さんの
Tさん
ふだんは
トラックの運転手をしている
車の運転のお仕事の方は
腰下肢痛の方が
多いかもしれない
Tさんのからだは
もう
ツボが鍼を
まっているような
新米鍼灸師なら
患者さんから学べるという
典型的なケースに
なるだろう
生きたツボの位置が
大変、勉強になるのだ
ベテラン鍼灸師だったら
治療に対して注文されると
ムッとするかもしれないが
鍼灸受け手
ベテラン患者さんのからだから
学ぶことは多い
「あぁーフゥッ、 腰がましなったわ
ありがとう先生、でも今日は
別の悩みやねん」
そうくると思っていました。
ここからが本番なのだ
「ガハハー 先生、お尻のやつ
また治して欲しいねん」
お尻のやつとは
何かというと
痔疾のことだ
おそらくまた出血して
痛みがでてきたのだろう
「また、しこたま飲んだでしょう?」
「あっ何でわかるの、ウハハハー」
痔疾はもちろん
重篤なケースは
外科のほうへいってもらうが
Tさんの場合
暴飲暴食などによる
お腹への負担を
鍼灸治療でへらしてあげると
ずいぶん良くなるのだ
もちろん本人の節制が不可欠なのだが
・・・
「僕のできるのはここまで
あとは今日から、Tさんの禁酒と
.精進料理コース!」
「はい、はい、わかった、わかった」
うーん本当にわかってるかな〜と
おもいつつ
鍼灸院をあとに
背を向けた
Tさんのお尻を
僕はじっと見つめた
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