初めて出会った世界一周旅行者たち
先日、『引きこもりバックパッカー：マイペースにゆるく海外を旅する思考法』という本をKindleにて出版しました。期間限定で１節毎無料公開しています。
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日本に居場所がないなら海外を旅すればいい。「海外に興味があるけどハードルを感じている」「これまでと違った景色をみたい人」「引きこもりがちな人」
そんな人たちがこれまでよりも旅が身近になるような、マイペースなゆるい旅とは？ 海外旅に興味がある人、引きこもり生活に飽きた人、新しい自分に出会いたい人、必読。”引きこもりながら”海外を旅してきた筆者が提唱する、脱力系バックパッカー論。
りょいち １９９７年生まれ。東京都出身。同じＦラン大学に２度落ち、行ける大学がなくなる。約３年間の引きこもりの後、中学英語もわからない中、初海外で所持金６万円とバックパック１つ単身でジョージアへ。それがきっかけでそのまま４ヶ月間で計１５ヶ国を旅した後、ワーホリビザで２ヶ月間オーストラリアへ。帰国後はインターンを経た後、ベンチャー企業でフリーランスとして活動しつつ、自身でＩＴ企業を起業。
（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
やっとの思いで辿り着いたゲストハウスにいたのは、日本人バックパッカー達でした。
まだ日本を出て１日しか経っていないのに、日本人を見ては「日本人だ」と、思わず声に出してしまうくらい感動しました。
そこにいた人たちは、大学を休学して旅している人や、銀行員を辞めて旅している人、シャイでほとんど口を開かない人、日本で１４年間路上演奏していた稼ぎで８年間無帰国で世界一周している人、イランで荷物を盗まれてビニール袋で旅をしている人、女性ひとりで旅している人、まるで江戸時代の牢名主のような同じゲストハウスに数ヶ月いる沈没者など、その多くは世界一周旅行者たちでした。
彼らと過ごしていると驚かされることが多いです。たとえば、別の国に行くことを国内移動のように軽やかに移動していったり、英語を駆使して現地人とコミュニケーションをとったり、その国の歴史や観光地の歴史に詳しかったり。
一緒に観光に行っても、今この瞬間の景色を忘れないようにと、カメラを片手に観光地をパシャパシャと収めて、几帳面に旅していたり。出会った当初、彼らの旅での知恵や会話を聞いてると、ぼくとは住んでいる世界が違う、別世界の住人のように思いました。
時間もお金も限られている彼らは、目の前の困難もこれまでの経験で手に入れた手持ちのカードで上手くやりくりしています。
特に長く日本を離れて海外で生活している人は、根本的に異なる機知を持っています。ときには、社会制度の取捨選択やゲリラ的な商売もしますが、法の抜け穴をくぐりぬけていくなどして、特定の社会に依存することはせずに、自分の居場所を確立しています。彼らの旅での実践は徹底してゲリラ的ではありますが、「なるべくやりたくないことはやらない」という自らのポリシーと折り合いを付けながら旅を続けています。
結果的にほとんど情報収集をせずにジョージアへ旅したのは良い学びでした。もちろん最低限の下調べをしていれば、旅でのトラブルはかなり減ったはずです。しかし予定通り進んだ旅にインパクトはありません。
実際に世界一周中の彼らを見ていると、旅の情報は旅の中で仕入れています。事前に仕込んだ知識や情報を超えることが、自分のイメージを超越した新しい景色を見せてくれる良い旅です。
ジョージアというあまり馴染みのないマイナーな国に行ったことがきっかけで、日本では中々出会うことがない個性豊かな人と多く出会うことになり、ぼくの旅もどんどん変わっていくことになりました。
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次回は第２章「渡航禁止の未承認国家、ナゴルノ・カラバフ」を無料公開します。
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