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ニースと近郊の美しい街を旅する

フランスはパリだけじゃない。魅力的な街が沢山ある。

この夏、パリを飛び出して初めて南仏を訪れた。2泊3日の小旅行でニースとその近郊の町2つを巡った時の訪問記。


ニース|NICE

ニースはフランスの南東部に位置する国内屈指のリゾート都市。過去にサルディーニャ王国(現在のイタリアに成立した王国)の統治下だったことや地理的にもイタリアに近く、イタリア北部の街のような雰囲気を感じられます。

Promenade des Anglais (プロムナード・デ・ザングレ)。『イギリス人の散歩道』という名の美しく弧を描くように続く海沿いの散歩道。

空港からトラムで市内まで簡単にアクセスすることができます。海沿いを走るため窓からコバルトブルーの海が見え、「南の街に来たんだな」という気持ちになります。

ニース旧市街

ニースの旧市街は、赤やオレンジ、黄色、テラコッタ色などまるで夕陽色のような美しい建物が並び、そんな建物の中を分け入るように細い路地を歩くだけで気分が上がります。カフェやレストラン、青果店やジェラート屋さん、お土産屋さんなど所狭しとカラフルなお店が溢れていて飽きません。

ニースの中心地とも言われているマセナ広場は解放感のある美しい広場で、中央には太陽神アポロンの彫像で出来た噴水、路面電車の線路、広場の周りをぐるっと囲んだ赤に近いテラコッタ色の外壁が印象的な老舗デパートのギャラリーラファイエットがあります。あの『ニースのカーニバル』もここで催されます。

夕焼け色の建物に囲まれたマセナ広場
果物屋さんには旬の色々な種類の桃が沢山並んでいました

シャガール美術館

ニースの中心地からバスで約15分、小高い丘に位置する高級住宅街のエリアにシャガール美術館があります。
マルク・シャガールは1887年にベラルーシ(当時ロシア支配下)で生まれ、その後主にフランスで活躍した20世紀を代表する画家です。ニースにあるこちらの美術館は、ユダヤ家庭で育った彼が描いた旧約聖書に関する17点の連作を所蔵するために誕生したのが始まりだそうです。

想像してたよりもずっと大きく個人的には1時間では全然足りなかったです。広々とした館内で椅子も沢山あるのでゆったりと鑑賞を楽しむことができます。
シャガールはやはり青色がとても印象的で、心に残った絵も青色のものが多かったです。
旧約聖書に関する絵やステンドグラスなど、美しいシャガールブルーを堪能することが出来ました。

『楽園を追放されるアダムとエヴァ』
美術館奥のコンサートホールにあるステンドグラス『人類の創造』

そして、赤とピンクが印象的な赤のシリーズ『ソロモン雅歌』が並んだ部屋もあります。

『ソロモンの雅歌Ⅲ』

美術館前のラベンダーが咲き誇る庭もとても心地世が良かったです。カフェも併設されているようなので休憩がてら訪れるのも良いですね。

📍シャガール美術館|Marc Chagall National Museum
●住所:Av. Dr Ménard, 06000 Nice, France
●定休日:火曜日
●公式サイト:musees-nationaux-alpesmaritimes.fr


ヴァンス|VENCE

中世の面影を色濃く残したヴァンス。ニースから車で40分、バスで約1時間ほどの山の上に位置しています。お隣のサンポール・ド・ヴァンスの方が有名かもしれません。
ヴァンスを訪れた目的は主に2つ。アンリ・マティスが手掛けたロザリオ礼拝堂を見に行くことと、シャガールのモザイク壁画があるヴァンス旧市街にある小さな教会を訪れることです。

マティスのロザリオ礼拝堂

ヴァンスの中心地から更に歩いて15分。のどかな住宅街の中にあのアンリ・マティスが手掛けた礼拝堂があります。

マティスは礼拝堂全ての設計を無料で引き受け、4年の歳月をかけて完成させました。マティスが制作を始めたのがなんと77歳の時なので完成した際には81歳でした。そして完成して3年後にこの世を去ります。

礼拝堂に隣接するミュージアムでは設計図やデッサン、制作の様子などが展示されており、晩年マティスがいかにこの礼拝堂を完成させることに精力を注いでいたかがよく分かります。

白いタイル画の上に描いた黒色の線のタイル画。見た瞬間マティスだと分かる独特な絵。そして緑と青と黄色のステンドグラス。外の光を通して真っ白な礼拝堂の壁に鮮やかな色が映ります。
特にタイル画は一発勝負なので何度も何度も練習を重ねたそうです。

マティス自身が「生涯の最高傑作」と称したロザリオ礼拝堂。
ため息が出る美しさで、ここまで来て本当に良かったと心底思いました。

(@Chapelle Matisse)礼拝堂内は写真撮影が禁止されているため、公式HPからの写真を転用
ドア上のタイル画もマティスが描きました

📍ロザリオ礼拝堂|The Rosary Chapel
●住所:466 Av. Henri Matisse, 06140 Vence, France
●定休日:日曜日、月曜日
●公式サイト:http://chapellematisse.fr/


ヴァンス旧市街

ヴァンスの可愛らしい旧市街は、はちみつ色の石畳の上にパステルカラーの建物が続き、まるで中世にタイムスリップしたような雰囲気があります。

城壁の入り口を抜けると噴水が出迎えてくれ、城壁の外側と内側では世界が異なるようです。

ヴァンスの旧市街。パステルカラーの街並みが南仏に来たことを思い出させる。

そんな旧市街の中心に細長い入口の教会があります。優しい薄オレンジ色の外壁が特徴の11世紀に建てられたローマ・カトリック教会です。
こちらの教会の洗礼台にはシャガールのモザイク美しい壁画があります。

今まで見た教会の中で一番細い入口。
祭壇上の壁にあるシャガールのモザイク壁画。繊細な色。

📍catholic cathedral of our lady of the nativity at vence
●住所:Pl. Clemenceau, 06140 Vence, France
●定休日:なし


エズ|Èze

南仏と言えばエズ村からの美しい願望を思い描く方も多いのではないでしょうか?

エズ村は「鷹の巣村」と呼ばれるくらい高い山の上に位置しています。ニースからバスで30分ちょっとで到着しますが、かなりくねくねの山道なので酔いやすい方は酔い止めを持って行った方がいいかもしれません。ただ、窓から見える景色が綺麗なので感覚では割りとあっという間に到着します。

よく見るエズの景色といえば、崖の上に位置する「熱帯植物園」から見下ろすエズ村と地中海の風景かと思います。
エズの旧市街の頂上に位置する植物園へは、細い道や階段をひたすら登って向かいます。途中に小さなお土産屋さんがあったり、レストランがあったり…。頂上まで登るのはかなり疲れる反面、ちょっとした通路がかわいらしく趣があるので楽しく登れます。

熱帯植物園のチケットは大人8€(2024年9月現在)です。オンラインで事前に購入も出来ますし現地で購入することも出来ます。バカンスシーズンの繁忙期は事前に買っておいた方がいいかもしれません。私が行ったときは夏の時期でしたが、閉園ギリギリだったからか空いておりチケットもその場でスムーズに購入し入園することが出来ました。

頂上の植物園からの圧巻の景色。
サボテンと地中海とオレンジ色の屋根

色々な種類の熱帯植物があり、特にサボテン🌵が沢山あります。サボテン越しの青色の地中海が何とも異国感があり、美しいです。

写真を沢山見ているからこそ、実物とのギャップにガッカリしてしまうこともありますが、エズの景色は私の期待を越えてくる美しさでした!もしニースに訪れることがあれば、バスで気軽に行くことが出来るのでエズまで足を延ばしてみることをお勧めしたいです。

📍熱帯植物園|Le Jardin Exotique
●住所:20 Rue du Château, 06360 Èze, フランス
●定休日:なし
●公式サイト:https://www.jardinexotique-eze.fr/

最後まで読んで頂きありがとうございます。フランスには他にも魅力的な都市が沢山あるので、またご紹介できればと思います。

#私のこだわり旅

▼ニースと近郊の町を旅したvlogも是非ごらんください♡


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