休日に弾丸でフードバンクボランティアをしてみた話
大学院で食品ロスの研究をしているので,ふと思いついて,弾丸でフードバンクボランティアへ行ってみました。
フードバンクの活動は、食品ロスの削減に役立つだけでなく,日本の貧困世帯の人々の支援にもなるという2つのメリットを持っています。これらの問題は、実は結構深刻なんです。
食品ロスは,食品の生産過程なども含めて地球に対して大きな負担になっているし,日本の相対貧困率は,先進国の中ではかなり高いです。
とりあえず現場を!という精神で、ボランティアに参加!
行ってみて気づいたこと
・フードバンクの人達のプロ意識
商品を陳列する際に,職員の方が,「無料で配布すると言っても,来てくれた人に喜んで貰えるように,お店のように綺麗な配列を意識しているの」と言っていたり,「この高さ,子供達が商品を選びづらくないかしら?」など,沢山の配慮をされていました。こういう所が,人と人の交流では大切だなあと。
・貿易関係で出てしまう食品ロス
小売り業界の中で1/3ルールがあったり、貿易関係においてだったり、沢山の食品ロス発生の原因があります。今回、商品の裏のラベルが英語表記になっていて、外国に出される一歩手前だったことを実感しました。
また,食品だけでなくて,服や日用雑貨など、提供される物は多岐に渡ります。
・健康に良いものではなくて,嗜好品などを選ぶ人々
お客さんは,「飲料」の中から1つを選ぶのですが,野菜ジュースなどではなく、コーラなどの嗜好品を好んで持って行く景色をよく見ました。不甲斐ない…。
・お洒落を楽しみたい母親達
来場する方はどんな人達なのかと思ったら,皆さん,若くて自分たちなりのお洒落にしているんですよね。ヘアカラーをしていたり,セルフマニキュアを自分でしていたり…。食べることも,日常を楽しむことも,人間が生きる上では,どちらも大切だよなあと思いました。どちらかだけにしろなんていう社会状況にならないように気をつけよう…。
・家に鍋もフライパンも何もない人
家に鍋もフライパンも炊飯器もないから,お米は,通常の袋に入っている米ではなくて,パックご飯という方がいました。その方からは,少し異臭がしました。
・帰りにパンフレットコーナーで,正規社員募集を手に取ってじっと見つめていた人
ふと,お手洗いに行こうと会場を出たときに,会場の外のパンフレットコーナーで,正規社員募集という大きな字で書かれたチラシを,手に取ってじっと眺めていたお客さんがいました。その時に,ジェンダーや非正規社員などの大きな問題が背景にあることに気づきました。
・最後に,都会とのギャップ窓を隔てた違い
その会場は,有名な観光地の中にありました。その街のビルの一室で食料の配給が行われている…。窓から外を眺めると,優雅に休日を楽しむ人達が街を歩いていて,その差異になんだか奇妙な心地を感じました。
嬉しかったこと
ボランティアで,完全無償だと思っていたのですが,最後に,近くにある老舗の飲食店が,ご厚意でお昼ご飯を提供してくれて,とっても美味しかったです。
大きな問題で,難しいけれど,格差をなくす努力をするだけでも大事です。
Bye~