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#391 「日本テレビ放送網事件」東京地裁

2015年7月29日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第391号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【日本テレビ放送網(以下、N社)事件・東京地裁判決】(2014年5月13日)

▽ <主な争点>
傷病欠勤者の復職可能性の判断など

1.事件の概要は?

本件は、N社を傷病欠勤等していたXが同社に復職の申出をしたところ、これを拒否されたことにつき、復職拒否は正当な理由がなく、復職を前提とした賃金請求権を有する旨主張して、N社に対し、雇用契約に基づき、復職可能時から支払われるべき賃金等の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<N社、XおよびAについて>

★ N社は、放送法による基幹放送事業および一般放送事業、放送番組の企画・制作・販売、その他の放送に関連する事業を目的とする会社である。

★ Xは、平成2年4月にN社に入社した者である。

★ Aは、平成19年7月から24年6月までN社の編成局コンテンツプロモーションセンターマーケティング部長であり、同期間、Xの直属の上司であった者である。

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<Xの傷病欠勤、復職申出およびN社の対応等について>

★ Xはうつ病を理由として、平成18年8月以降、断続的にプール休暇(年次有給休暇の未消化分について、110日を限度としてプールできる休暇。傷病のため休暇を要する場合、当年度の手持ち年次有給休暇が残り5日になった時点で、なお傷病を必要とする場合に利用が認められる)を取得していた。

▼ Xは21年8月31日以降出社せず、有給休暇および残っているプール休暇を取得した後、同年10月1日から傷病欠勤(最長1年6ヵ月取得可能)に入った。

▼ Xは22年9月2日、病名を「うつ病」、「症状の安定化に伴い、9月中旬からの復職は可能と判断する」と記載された、B医師(Xの主治医)作成の診断書をN社に提出するとともに、同月10日からビデオラウンジ業務に復職する意思であることを伝えた。

▼ N社はXの病状等をB医師に照会する質問書を提出したところ、同医師は同年10月、「会社の的確なサポートがあれば、昼休憩を取得することができるし、症状が悪化することはない。また会社がXの職場復帰を支援するのであれば、ストレス関連障害の原因ないしは誘因と考えられる人物との面着・面接の回避、そして早急な配置転換、定時勤務ではなくフレックス勤務への復帰、産業医の勧告の尊重を行うことが望ましい。治療により症状が改善し、継続的な業務が可能であるが、今後も職場における対人関係が休職前と同様である場合には再度症状の悪化を招く可能性があり、その点に対する配慮が必要である」などと回答した。

▼ N社は同年11月、Xが職場復帰できる状態にはないとして、復職を拒否した。

▼ N社は23年3月31日をもって就業規則の定める傷病欠勤期間が満了したとして、Xを同年4月1日から傷病休職(最長3年間取得可能。そのうち1年間は一定の賃金が保障されている)とした。

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<Xのリハビリ勤務の状況、復職等について>

▼ N社は23年1月、Xに対し、円滑な職場復帰を支援する用意があること、メンタルヘルス不調者の職場復帰の可否判断について3段階(社内診療所、人事局、原職)のリハビリ出勤を経る運用をしていること(以下「復職プログラム」という)、職場復帰の可否の判断では人事局担当者や原職場の所属長に対する出退勤時の面着報告が必要不可欠であること等を伝えた。

▼ Xは社内診療所へのリハビリ出勤を同年1月5日から4月14日まで行った。N社の産業医であるC医師は同年4月14日に同社人事局長に宛てて、「そろそろ出社訓練を終了するにあたり、人事部と今後について面談を行うことが可能な段階になった」と報告した。

▼ Xは人事局および原職場へのリハビリ出勤をしようとしなかったが、C医師からの勧めもあり、同年11月、同医師の同席の下で、人事局員との面談に応じた。

▼ Xは24年4月、N社に対する賃金仮払仮処分を申し立てた。同手続において、Xの復職に向けた協議が行われ、その結果、Xは同年7月の産業医面談を受け、同年8月から人事局でのリハビリを開始し、同年9月18日をもって、原職であるビデオラウンジに復職した。

▼ 同年9月18日以降、XにはN社から賃金満額が支給され、Xは同年10月、上記仮処分の申立てを取り下げた。

3.社員Xの主な言い分は?

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