ジャック・ケッチャム『隣の家の少女-THE GIRL NEXT DOOR-』 感想文
小説とノンフィクション・ドキュメンタリーの違いは、なんといっても主人公≒語り手への感情移入の有無にあると思う。どれほど陰惨なノンフィクションを扱った書物であろうと、ドキュメンタリータッチであれば読者は語り手の記述に対し「極めて俯瞰的に」受け止めることができる。
それに対し小説は、今まさに目の前にある体験を主人公である本人が語ることによって、視点は目の前の一点のみに限定されてしまうのだ。
1958年 夏-アメリカ
主人公である12歳のデイヴィッドは、近所の悪友とともに隣家のチ