見出し画像

パンを頂く時に気をつけたい事。

こんにちは。

またもや、れふとで御座います。
本日もどうかお付き合いくださいませ。

私はパンが大好きなのです。
映画が好きで、最早映画館そのものに行く事だけでワクワクしてしまうような感覚と一緒で、
パン屋さんのあのお店のムードからして最早好きなのです。

無駄にトングをわきわきさせながら食べきれない量を買いそうになってしまうものです。
きっとわかってくれる方もいらっしゃいますよね。

…ね。

朝はパンとブラックコーヒー、PCを無駄に起動して
「はは、今日のデイトレードの具合はどうかしら。」
みたいなオシャレな大人ごっこをしたくなったりするものです。

実際は無言で咀嚼音のみが響き続けるだけの朝なんですけどね。

さて、そんなパン好きの私が本日お届け致しますのは、
パンをどれだけ愛しているかでは御座いません。

そんな記事を私に期待する方は一人もいらっしゃらないでしょう。


本日は
パン好きによる、パンを食べる際にご注意いただきたい事
をお届けしたいと思います。

※この記事には低倍率人間による主観が多分に含まれております。
私の低倍率っぷりをまだご存知ない方は是非合わせてご覧くださいませ。




それでは、どうぞ。


◆ギックリ首

私が20代前半の頃、まだ東京に住んでいた頃の出来事になります。
その日は朝から吉祥寺に行って、1日吉祥寺を満喫したいと思っていた為、
前日の夜、仕事帰りに閉店前のパン屋さんへ寄りました。

閉店前のパン屋さんのあの雰囲気もまた乙なものです。
しっとりとした空気感にある程度売れてしまって空間が空いている棚。
つい欲張って買いすぎてしまう私のような私欲の塊には、
このくらいがきっと、ちょうどいいのです。


私は朝に食べるパンとして、尚且つ1日中吉祥寺を満喫する為にパワーもちゃんと付けなくっちゃ。
と一人で張り切っていました。

その頃もちょうど10月だったでしょうか。

私はハムとチーズのホットサンド、チョコクロワッサン、
更に食いしん坊が発揮して、秋口限定と書いてあるお芋のフランスパンを買いました。

フランスパンの生地にダイスカットされたお芋が贅沢に入っている、
とても美味しそうなパンでした。
一欠片くらいなら今食べても…と、はやる気持ちを必死に抑え、その日を終えました。

翌朝、オシャレ大人ごっこをしたかった私は少しだけ早起きをしてせっせとコーヒーを淹れ、
温め直したパン達をセットし、
淹れたてのコーヒーの匂いに包まれながら吉祥寺で何をして遊ぼうか考えつつ、
ゆったりとした朝を過ごす準備をしていました。

ああ、晴れてよかったな。秋晴れとはこう言う日の事を言うんだろうなぁ。
そう心から思い、うっすら恵比須顔になっていたようにも思います。

実際は真顔で咀嚼音のみが響き続ける朝だったんですけどね。

もりもりとパンを食べ、最後に残しておいたお芋のフランスパンを食べようとしたところ、
ダイスカットされたお芋がポロッと膝に落ちてしまいました。

ははっ、昨日つい食べようとしてしまった一欠片は、君だったんだね。

私はお芋を取ろうと下を向いたその瞬間。

ニリッ…


『……え……?』
体内から生まれて初めて聞く擬音に、私はフリーズしました。

一体何が…えっ…お芋が取れない…
首痛ぇ…前向けねぇ…えっ、首いってぇ…
お芋は…っ…

私は思わぬ激痛と今まで聞いた事のない擬音に、
完全に我を失ってしまいました。


結局その日は首に異変を感じつつも吉祥寺遊びを決行したのですが、
痛みはどんどん増していきました。

「ねえれふと、あのお店行ってみない?」→「え、痛っ…」
「あれ?吉祥寺にもこのお店あるんだね。」→「どのお店…道路しか見えない」
「あの看板見える?あそこ行ってみようよ。」→「見れない…前向けない…」
「あ〜12月になったらここ飾り付けされて綺麗になりそうだよね!」→「ニリッ


全く楽しむ余裕はなく、吉祥寺の景色も全く見れませんでした。


それもそのはず。
お芋を拾おうとした角度の首から微動だに出来ない固定された首で
一体何を楽しめましょう。

バスの振動でさえ首に響く固定された首で
一体何を出来ましょう。

その翌日、お医者さんに告げられた言葉を5回は聞き直しました。

『これは、ギックリ首ですね。』

…ギックリ首?
腰じゃなくて?
ギックリ首…?
…クビ?
ギックリクビですか?
ギックリクビ…

4,5日程でしっかり首は動かせるようになりましたが、
初めて聞いた病名?に再度軽くパニックを起こし、その後謎に思い出し笑いを繰り返すハメになりました。

ちょうどその数ヶ月後、お祭り男のyoutubeを見ていたところ、
宮川大輔がギックリ首になったエピソードをしていて、
「あ、おんねや。」
と静かに呟いたのも、今となってはいい思い出です。

※あの日以来、ダイスカットのお芋フランスパン的なものは一度も口にしていません。

◆歯の亜脱臼

こちらは今の職場に入社してからになりますので、
まぁまぁ最近のお話になります。

夜はお酒を浴びて倒れるように眠りたい私ですが、
その日は賞味期限が近づいてしまったパンを食べちゃわないとな。
と思い、夜にトーストを食べることにしました。

でも、ちゃんと酒浴びもしました。

しかし、これが事の発端だったと思われます。
慣れないことはしない事ですね。

いつものように慣れた手つきで酒浴びを楽しんでいた私は、
トースターで静かに暮らしているパンの存在をすっかり忘れてしまっていました。

へろっへろになった私はおトイレに行こうとし、
トースターで眠るパンに気づいたのです。

「あ、パン忘れてた! 1枚だし食べちゃおうかな。」

私はへろっへろな状態で、冷めきったトーストを頬張ったその瞬間。


ニリッ。


…あれ、聞いたこそある音、した。今。
奇しくもあの時と全く同じ音がしたのです。
奇しくも同じ体内から。
耳で聞こえるのではないのです。
脳に直接聞こえてくるのです。

左側、犬歯の一つ奥の歯に違和感を覚えました。
触れてみると少し、グラつきました。

あ、終わった私の歯。
今まで一本も抜けずに私の口内に君臨し続けてきたティース達。
ありがとう。そしてさようなら。

私は覚悟を胸に歯科医へ行きました。
小学校の時に検診で受けた以来の歯科医。

もういい歳した大人ではありましたが、
そんなことは関係ありません。

怖いのです。

私は電話をかける前から恐怖に襲われていました。
そうじゃなくたって病院は大嫌いなのです。

映画館、パン屋さんではあんなにワクワク出来るのに、
どうして病院では恐怖しか湧かないのでしょうか。

意を決して病院へ電話し、症状を伝えたところナースさんから
「あ、それは早急な対応が必要だと思いますのでこれから来院出来ますか?」

えっ。
今から?心の準備が…。
そうじゃなくても恐怖心しかないところに丸腰で今から?
いや、せめて護身となるものを…

などとどうでもいい事を考えるほどパニックし、
そのままいそいそと病院へ行きました。

『これは亜脱臼ですね。』

亜脱臼?
脱臼じゃなくて…?
アダッキュウって…??
そもそも歯って脱臼とかあるの…?
歯って、挫く事あるの?

…人間ってトーストで挫けるの…?


治療は至ってシンプルでした。
レントゲンを撮り、歯が折れてしまってはいない為、
歯茎の炎症を抑えるお薬を飲んでから、ばい菌が歯と歯茎の間に入ってしまった際には
治療をする と言うもの。

お薬を飲みながら4日ほど。
炎症は治まりましたが、歯茎が腫れました。

「うん。ばい菌やっぱり入っちゃったね。治療して、歯はこのまま活かしましょう。」

歯に小さな穴を開けてばい菌を内側から取り除き、
ばい菌が綺麗にいなくなって、炎症が治まった事を確認してから開けた穴を
なんか青い光をあてると固まる謎のヤツで埋める みたいな事を言っていました。

ああ、それでもスタメンはこれからも君臨できるんだ。

と安心したのも束の間でした。
「炎症があって麻酔出来ないから、麻酔無しで行くけど、いい?」

優しい笑顔で何言ってんの?

私は麻酔無しで歯に穴を開けられました。
激痛とかそういうのとはまた異なる、謎の痛みと恐怖、
今まで感じた事のない箇所への痛覚が生まれて初めて刺激され
走馬灯が少しだけ、
例えるならメリーゴーランドくらいの速さで回った程度の痛みと長さでした。

用紙が燃える時、角から火が付き、熱の影響で丸まりながら燃えていくような…
私の手の指、足の指は治療中徐々に、しかし確実に丸まって行きました。

全指が丸まって仕方ないのです。
しかし、顔だけは動かしてはいけない。

こんな拷問ってあったかしら。世界のどこかに。
採用してもいいんじゃないかしらと思いました。

記憶が定かではありませんが、少し泣いてしまっていたかもしれません。



今では無事治療も終わり、普通に食べ物を美味しくいただける状態となっております。
神経が死んでしまっていると歯が変色するかもと言われていましたが、
変色もなく、砂肝くらいならもりもり頂く事が出来ます。

ただ、今でも冷めたトーストや、フランスパン生地を頂く時は少しだけ、ほんの少しだけメリーゴーランドがちらつき、
ニリッと言う空耳が聞こえてくる為、歯のスタメン達の中でも
挫いた経験のない子に一口目をお願いしています。

◆まとめ

どうか、パン好きの皆様。
お気を付けて。


それでは、またどこかで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?