オルタナティブ福祉後述
9月23日、東京仙川タイニーカフェにてオルタナティブ福祉vol.3、
10月8日、大阪森ノ宮トヨタ店にてオルタナティブ福祉vol.4をそれぞれ開催いたしました。
オルタナティブ福祉vol.3
3回目のこの会は、わたしの著書の編集を御担当くださった河出書房新社の高野さんをゲストにお招きしました。
編集者ならではの視点での福祉や、何故わたしのnoteを書籍化しようと思われたのかという疑問も、皆さまの前でお答えくださいました。
とてもコンパクトな人数での座談会、皆さんが遠慮することなく発言をし合うことができ、皆の悩みや考えを、全員で共有できた時間でした。
この回にお越しくださった80代の紳士がのちにわたしの書籍を、『この本はこれからの介護の教科書だ』と仰ってくださったことがとても印象的です。
また、この会に初めて参加された方からとても具体的に感銘を受けたお話しも伺え、わたし自身のこれからの糧となりました。
かなり久しぶりの開催でしたが、継続が最も重要だということを改めて自身の念頭におかせていただく大切な時間となりました。
オルタナティブ福祉vol.4
4回目は初めて東京を抜け出して大阪へ。
会場は2階建ての古民家をギャラリーにしたトヨタ店。
ここのオーナーは、ご自身の人生をかけて人々と向き合い、福祉に携わり、独自の手法で音を鳴らし、何も無いところに気が付けば大きな村ができているような、人間らしさのかたまりの、大きなひと。
大阪での開催は、彼無しには考えられず、それならば場所もうちを使っていいよと仰っていただき、トヨタ店での開催が実現しました。
今回は、通常の座談会に加えて、建物の1階部分で母の(ゴミ)屋敷再現と、実際の映像を流すインスタレーションをさせていただきました。
恐らくわたしのnote及び書籍をお読みいただきました皆さまに、最も印象に残っているであろうわたしの幼少期の家の説明一文『立ち上がると天井から下がる照明器具の傘が目線の下にある』。
これも前日準備にお集まりいただきました皆様とあれこれアイディアを出し合い、実現するに至りました。
このゴミ屋敷には手前に穴のあいた扉を設置したことにより、覗き見ることもでき、また間近で見ることもでき、挙げ句中に入って寛ぐこともできるという、体験型の展示となりました。
ご来場いただきました皆様には、実際屋敷に上がっていただいて、中にはそこでのお写真をご希望された方もいらっしゃり、中々の好評を頂くことができました。
ひと通り寛がれた方がふいに慌てるように立ち上がって靴を履きながら、「早く帰ってうちを片付けないと…」と呟いてられる姿を何度か目撃して、わたしは無言で頷かざるをえませんでした。
さて。
4回目の座談会。
初めての大阪は、いつものオルタナティブ福祉に戻ったかのように、田渕徹さんのうたから始まりました。
彼のうたで、これから何が始まるのかわかるようでわからない、緊張感溢れた室内の空気がポッと温かくなりました。
この日も二部構成とさせていただき、一部で先ずわたし、田渕徹さん、そしてこのトヨタ店のオーナー、豊田朝日登さんの3人で、お話しをさせていただきました。
田渕さんも豊田さんも、note時代から熱心に記事を読んでくださっていて、またそれをまわりの方々にも熱心に広めてくださっていたおふたりで、普段の会話の中にもどこかオルタナティブ福祉を匂わせるおふたりなものですから、ついついお話しが長くなってしまいました。
皆さんお酒や食事を片手に、時に笑いを挟みながらの時間となりました。
二部は予め皆様からいただきましたアンケートを元に、それぞれを読み上げてのディスカッションです。
おひとり、またおひとりと、皆様のお悩みや、お話しされたいことを皆で聞き、皆で話し合いました。
今回最年少の小学生の方からのお悩みは、実際そこにお父様もお母様もいらっしゃり、皆で大きな家族会議をしているような感覚で、話し合いました。
全部で2時間ぐらいの時間はあっという間で、まだまだ話し足りない方もたくさんいらっしゃるように思いましたが、一旦おひらきとなりあとは個別にお話しをさせていただきました。
10年以上会っていなかった友人が終わりがけに来て、途方に暮れる悩みを置いて帰って行ったことがとても印象に残っています。
彼女の話を聞きながら、人は最低限自立していないと他者のことなんてとてもじゃないけど世話なんてできないもんだなと思いました。
今回、本当にたくさんの方にお越しいただき、たくさんのお話しをお聞かせいただき、感謝の気持ちで溢れております。
新聞を読んだことをキッカケにオルタナティブ福祉までたどり着いてくださった方や、noteを読んでお越しくださった方、『母がゼロになるまて』を読んで初めてリー・アンダーツ及びオルタナティブ福祉の存在を認識してくださった方。
このことが無ければお会いできなかったかもしれない方々と、お顔を合わせた瞬間からたくさんのお話しができたことを幸せに思います。
本当に、noteを、『母がゼロになるまで』を、書いて良かったと思います。
今後ともオルタナティブ福祉及び、リー・アンダーツをどうぞよろしくお願いいたします。
最後にお越しいただきましたお客さまの中から、許可をいただきました方のゴミ屋敷体験中のお写真を。
この日中に撤収しなければならなかったこのゴミたちは、案外片付け始めるとすぐに姿を消し、30分でティッシュ1枚残らず綺麗に片付けることができました。
前日設営から撤収まで、御協力いただきましたトヨタ店及び身内の皆様方、本当にありがとうございました。