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採用広報のための社員インタビューのコツ※「インタビュー事前シート例」つき
人材会社、求人広告のコピーライター、IT系メガベンチャーと広告会社の広報、経営戦略室を経て、今は小さな広報コンサルティング会社の代表をしている松田純子です。広報時代も含めたライター歴はかれこれ17年ほどです。
こちらのnoteでは、企業広報&広報コンサル、ライターの経験を生かして、広報担当者の方に役に立つ情報や読みやすい文章(文書)を書くコツなどをシェアしています。
先日、たまたまご質問をいただいたので、ライター経験のない広報担当者さんが社員インタビューをする時の「コツ」と「魔法のコトバ」について書いてみます。
■”相手頼み”な取材を卒業するには?
昨今、広報担当者さんは、潜在顧客向けのマーケティング活動や採用広報向けにお客様事例や社員インタビューなどを書く機会が多いと思います。
ただし、ライティングや取材機会は増えても、ライティングや取材方法を教えてもらえる機会はほとんどありません。その結果、往々にして取材内容の良し悪しは、”取材相手の対応スキル頼み”になりがちです。
では、ライター初心者や未経験者が取材する際につまづきやすいのはどんな点でしょうか?
ここで突然ですが、筆者の独断と偏見で決める
初心者、未経験者が取材で困ること”トップ3”
を発表します。
①そもそも、取材で何を聞けばいいのか分からない(根本問題( 厂˙ω˙ )厂)
②取材対象者から聞きたい話が聞き出せない(思った回答が得られない)
③取材対象者が表面的なことしか話してくれない(浅い取材になる)
これから、上記の解決策を見ていきます。
■相手が上手く答えられないのには理由がある。
実は、上記の①②は一つの手法で解決できます。
それは、
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を作ることです。
ライティングや取材に不慣れな担当者さんは、そもそも自分が取材で何を聞けば良いのかが分かりません。
結果、当然相手も何を答えればいいのか分かりません。
その時、たまたま面白い話が出てきたら「よい取材(記事)」になるし、そうでなければ「目的がよく分からない記事」になります。
以下のポイントをあらかじめ広報内で整理し、簡単な文書にしたものが「インタビュー事前シート」です。
取材前に取材対象者に共有することで、ある程度どんな話をするのかあらかじめ頭のなかで考えた上で取材に臨んでもらうことができます。
【インタビュー事前シートに必要な要素】
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【例】採用広報向けインタビュー事前シート
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ちなみに、先ほどの①の「何を聞いていいか分からない」は、記事を書く活動の目的がそもそも決まっていないバージョンが多いです。
その場合は、最初に「活動目的の明確化」(※例でいう「当社の採用広報noteについて」の部分を明確化)をすることをお勧めします。かくして、①②に関しては「インタビュー事前シート」でバッチリ解決です!
■表面的な受け答えばかりになる時はどうする?
③取材対象者が表面的なことしか話してくれないも、よくある悩みの一つです。
筆者の経験上、営業さんは話上手な人が多く、自ら「相手が欲しい答え」を探して話してくれます。
一方、話すのが苦手な人は、たとえ取材であっても「多くを語らない」スタンス(汗)だったりします。最悪、一問一答形式(汗)みたいな取材になって困り果てることもあるかもしれません。
そんな時にはこの
”魔法のコトバ”
を使ってみてください。
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誰にでも分かりやすい例を挙げてみます。
ある人への「私生活に関するインタビュー」での質問です。
質問:最近変えた習慣はありますか?
回答:朝ごはんを食べるようになりました。
質問:なぜですか?
回答:健康のためです。
もしここでこの質問に対する取材が終わってしまったら、「健康のため」は想像の範囲内の答えでつまらない記事になってしまいます。
そんな時…
質問:どうして、最近健康に気を遣うようになったんですか?
=「なぜ? それはなぜ?」と質問を重ねます。
すると、
回答:実は最近●●の持病が悪化して、ビタミン●が多い●●を朝に
回答:最近●●スポーツを始めたので体を鍛えたくて
回答:結婚したので奥さんと一緒に食べるようになった
など、その人の私生活についてさらに興味深い事実が浮かび上がってくるかもしれません。
つづいて、IT企業での社員インタビューでの質問です。
質問:システムAの改善プロジェクトをチーム横断で行うようになったきっかけを教えてください。
回答:システムAについては、これまで部門別に開発を進めており部門最適を追求してきました。その中で生まれたひずみを解消するためです。
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質問①:分かりました。では、プロジェクトの概要を教えてください。
質問②:なぜひずみが生まれたんでしょうか? どんなひずみなんでしょうか?
質問②なら、会社が持つ根本的な課題を炙り出し、読者に伝えることができる…かもしれません。
上記は、取材対象者が表面的な回答しかしてくれない時、そこで納得せずにもう一段踏み込んだ質問をする時に使える”魔法のコトバ”です。
ぜひ活用してみてくださいね。
今回は、取材に不慣れな広報さんが社内インタビューをする時に使えるコツについてお伝えしました。少しでも役立つ情報になっていれば幸いです。
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