【読書memo】DJ選曲術
【伝えたいことがないなら選曲する必要はない。】
DJ/アーティストとして世界40ヶ国140都市に招聘されただけでなく、CNNやBILLBOARDなどでも取り上げられるなど世界標準をクリアできる数少ない日本人音楽家のひとりである 沖野修也氏が、
選曲(曲を選ぶ)という行為がいかに重要なものであるのか、具体的に論じた、非常に貴重な一冊。ここまで論理的に選曲に関して分析した本を日本では見たことがない。
書籍の紹介
あなたがDJでなかったとしても、自分のお気に入りの曲を集めたプレイリストを今までの人生作ったことが一度でもあるのではないだろうか。
「選曲」というのは誰にとっても身近な行為であるのだが、おそらく多くの人は無意識に感覚的におこなっているものであろう。
そんな無意識の行為を
「意識化」してみよう。
あなたのプレイリストはより素晴らしいものになる可能性がある。
そんな「選曲」に関する基礎知識や心構え・作法・優れた選曲の定義を本書は丁寧に教えてくれる。
僕自身、趣味でDJをはじめてから選曲の重要性を痛感させられる毎日だ。
例えば、無造作に与えられた100曲の中から自由に選んで並べオリジナルのプレイリストを作るという宿題が出されたとする。
1.「なんの考えもなく作った」プレイリスト
と
2.意識的に
「目的」(クラブでのオーディエンスへ聞かせる or 自身のドライブの時のバックグラウンド or 店内BGM or 彼女へのプレゼント or 妻へ or 子供へ etc)を設定し、
「テーマ」
(テンションを上げる or 眠る or リラックス or 集中等 )を決め、
「個々の曲の特徴を分析」
(ジャンル、リズム、雰囲気、使われている楽器、Vocalの有り無し、女性Vo or 男性Vo or 混声 、Key)し、作ったプレイリスト
では、果たしてどちらが完成度が高く素晴らしいものになるだろうか。
恐らく2の後者であるだろう。
個性的な選曲は創造力に満ち溢れ、時に凡庸な楽曲を凌駕し、大きな感動を与える。
選曲という行為は非常にクリエィティブな行為なのである。
僕自身深く考えれば考えるほどそれらの難しさに悩まされる毎日だ。
【一言まとめ】
「選曲」とは生きることであり、人生そのものなのだ。
ほんの少しでもそれらの行為を意識化するだけで、変化が必ず起きる。
自分がそうだったから......
音楽に感謝。DJに感謝。
【本日の書籍情報】
【書籍名】DJ選曲術
【著者名】沖野修也
【出版社】リットーミュージック
【出版日】2005/10/26
【オススメ度】★★★★★
【こんな時に】自分のお気に入りのプレイリストを作る時に。何かイベントで曲を選ぶ必要がある時に。DJをやっていて選曲に悩んだときに。
【キーワード】選曲、プレイリスト、人生、クリエイティブ
【頁 数】250頁
【目 次】
1◆PART 1:選曲とは何か?
2第1章:音楽を選曲するということ
3第2章:選曲のテーマを決める
4第3章:ストーリーの重要性
5第4章:前後の関連性にこだわる
6第5章:意外性を取り入れる
7第6章:自分のスタイルを確立する
8第7章:選曲を実践する上での注意点
9◆PART 2:スターDJの選曲メソッド
10◆PART 3:架空のミックスCDを作る
これは本当に良い本だと思う。読むたびに発見がある。Part2のスターDJの選曲に関しての詳細な分析は圧巻。
是非、多くの方に読んでいただきたい。