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さんぽ・田舎編

我が家の周りにはほぼ人家がない。
正確には、『人の住んでいる』人家がない。空き家ばかりなのだ。
そんな過疎地域での散歩。それは命がけである。

♪ある日、森の中、くまさんに、であ…








…ってたまるか!!!!!


そう、人家が少ない田舎ということは、クマやイノシシとの遭遇率が高いということだ。たしか以前の記事でも書いたけど。
防災無線が鳴ると、だいたいクマの目撃情報だ。そうじゃなきゃイノシシ。稀にサル。
なので、僕の散歩は死と隣り合わせだ。防災無線で目撃情報が出た日は行かない。これが鉄則である。

というわけで、散歩に向かう。
相棒は履きなれた靴と、クマ除けの鈴かラジオ。
近所の神社で手を合わせる。家族の平穏と、僕のnoteが爆発的人気になることを願う。あと、宝くじの高額当選。

手を合わせること約7分。

また歩き出す。


坂道を下る。僕の家は比較的高い位置にある。
町を一望する。そこまで好きでもないけど、嫌いなわけでもないこの町に、僕は何ができるのだろう。
…柄にもなく、かっこいいことを思う。
神社で7分手を合わせていた人間と同一人物とは思えない心がけ。
…褒めてくださっていいんですよ、神様。


歩いているときは、だいたいアホなことを考えている。
「番組のロケで日向坂46が来ていないかな」とか「突然スカウトされないかな」とか。
我ながらアホだなあとは思うよ。
心がいつまでも思春期なんだと思う。
このままでは、クマに襲われたときの遺言は「日向坂…」になりかねない。もしくは「丹生ちゃん…」である。或いは「おすし…」か。


都会ならば「あそこの喫茶店寄ってこ」とか、「遠回りしてラーメン食べてこ」とか出来るのだろう。盛岡時代は僕もやっていた。
だが、田舎では不可能だ。
歩いていける距離にあるのは

コンビニ×1(町内でこの一軒しかない)
スーパー×1(町内でこの一軒しかない)

である。飲食店はあるが、いささか遠い。散歩じゃなくてドライブになりかねない。歩けと言われたら歩くけど。
スーパーまで行って買い物を済ませ帰宅するとすれば、だいたい一時間くらいかかる。コンビニだと30分くらい。
…ね、田舎ってすごいと思いませんか?

とはいえ、散歩の楽しみがないわけではない。
自然が美しいのだ。紅葉も桜も、観光地に行く必要などない。近隣で済む。タダで済む。
鳥の鳴き声、爽やかな風。
それに混じる牛フン堆肥のかほり。ときどき鶏フン(以下略)
トラクターの轟音。防災無線が伝えるクマ目撃情報。
雉たちの縄張り争い。速度超過(と積載過多)の大型トラック。





…ぶっちゃけマイナスなところのが多いわ。


今度は盛岡時代を回顧して書くことにする。早く書かないと忘れてしまうかもしれない。最近の物忘れがすさまじい。


#散歩日記

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ナル
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