【空想エッセイ】昨夜の話(3)
「ナ…ルぅ…」
聞き覚えのある声に窓を開けると、ずぶ濡れの夜行が立っていた。
「夜行さん!…なんでずぶ濡れ?」
僕はタオルを渡しながら尋ねる。ビール、ビールと…。
「…今日は、酒はいい。」
驚いて振り返ると、夜行は泣いていた。大きな一つ目から、ぼろぼろと涙があふれている。
「…なんかあったの、夜行さん?」
「うう…。」
夜行は答えてくれない。どうしたものかと悩んでいると、窓をノックする音がした。
「ぬらりひょん、イッポくん!」
「夜行について、わしが説明してやろう。」
そう