【短編】アルストロメリア
花の首を折って、ごみ箱に捨てた。さっきまで命だった桃色のアルストロメリアは、一瞬で塵芥の仲間入りを果たした。
自傷のあとの手首を拭ったティッシュと、幾枚かの写真。
同じスーパーのレシートと、出しそびれた懸賞の葉書。
アルストロメリアの首と、君からの手紙。
ごみ箱は世界そのものだ。ごちゃごちゃとして、居心地の悪いこの世界は、私にとってごみ箱でしかなかった。そこに君からの手紙を混ぜてしまったことを、君の人生に私が関わったことを、少しだけ申し訳なく思う。でも、それもきっと伝えられな