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私的解題−1「計篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら
「孫子の兵法」の最初の章は「計篇」となっています。
内容を要約すれば
「プロジェクト開始の準備方法、プロジェクト評価の必要性、評価方法とその活用方法」
ですね。
このまま読むとナンジャラホイと思われる方もいますが、思いっきりまとめて言えば、
まずプロジェクトには、「五事」の「道、天、地、将、法」の準備があって、「七計」の「主、将、天地、法令、兵衆、士卒、賞罰」でプロジェクトを評価するのだ。といっています。
いきなり、「風林火山」ですね。
すごそうだけど、何を言っているのかよくわからん。
なので、現代風に言い換えると、
「五事」 → 5つのガイドライン
道 → 組織のガバナンス。
プロジェクトの組織は目的とは違う方向に走らないようにちゃんと統治されていますか。天 → プロジェクト開始のタイミング。
プロジェクトを計画したのはいいけれど、投入の潮時をみていますか。地 → プロジェクトの対象と範囲。
プロジェクトの対象とその範囲は明確になっていますか。将 → プロジェクトリーダの能力。
プロジェクトに見合うリーダを任命していますか。法 → プロジェクトの遂行と管理に必要なルール。
プロジェクトの遂行と管理を行う上で「報・連・相」のようにわかりやすく明確なルールを準備していますか。
をプロジェクトのガイドラインとして、
「七計」 → 7つの評価項目
主 → オーナーは正しいガバナンスを行っているか。
プロジェクトのオーナーはプロジェクトにかかわらず組織全体を隅から隅まで統治できていますか。
(訳のわからんことをこそこそやっているやつはいないよね。「蟻の穴から堤も崩れる」だよ。)将 → リーダはプロジェクトの対象やスコープに対応できる能力を持っているか。
プロジェクトを任すリーダはプロジェクトの大きさや目的にあった人物を任命していますか。
(ここを間違えると、リーダが失踪したりして、プロジェクトが潰れるどころか、オーナーのガバナンスも問われるよ。)天地 → プロジェクトの開始時期やスコープの大きさは適切か。
プロジェクトの開始時期は最も良いと思われる時期を考え、組織に見合ったスコープになっていますか。
(プロジェクトの開始を最繁忙期にぶつけたり、組織の運営限界を超えるようなプロジェクトを計画していない? 一歩間違えるとプロジェクトの失敗がすべてを巻き込んで組織ごと吹っ飛ぶよ。)法令 → ルールが細かく定義され、実行されているか。
プロジェクト内のルールは誰が何をどうして、誰がどうするまで決まっていて、メンバー全員が理解し実行していますか。
(なんちゃってルールになっていたり、メンバー全員がそれに沿って実行していなければ、野良ルールやすっ飛ばしが発生し、本来のルールが持つリスクや障害に対する対応力、抑止力が効かなくなるよ。)兵衆 → プロジェクトメンバーの意識やスキルは高いか。
プロジェクトメンバーはプロジェクト遂行の意識があり、プリジェクトに必要なスキルを持っていますか。
(適当な人選をする事自体がリスクを抱え込むことになるし、困難に当たった途端にプロジェクト組織が下から溶け始めるよ。)士卒 → サブリーダのリテラシーが高いか。
プロジェクト内のサブリーダのスキルは言うまでもないことですが、プロジェクト推進に向けての活用能力は必要とされるものを持っていますか。
(プロジェクト組織全体を統率するのはリーダだけれど、実際に現場を統率するのはサブリーダで組織全体をつなぎとめるパテの役割をするから、これが低いとプロジェクト組織が瓦解するよ。)賞罰 → 業績やルール違反に対する報酬や罰則が明確に定められているか。
プロジェクト内での成果やルール違反に対する報酬や罰則はドキュメント化されメンバーに周知されていますか。
(その時の采配でどうするみたいなことをしていると、メンバーに不信感がまし、プロジェクトのガバナンスが保てなくなるよ。)
をプロジェクトの評価項目とします。
そこで、ヘタを打つと親組織すらぶっ壊すかもしれないプロジェクトをちゃんと評価しなさい。
と言っているわけですね。
孫氏は書いていませんが、個人的な付言をするならば、ここで課題が出れば、それを正すなり、補強するなりして、時期を見て再チャレンジすればよい。ということになりますね。
あと、この、「五事」「七計」は実際にプロジェクトに着手前に行うものでもありますが、プロジェクト進行中も常々評価、確認すべきものなので、プロジェクトリーダも理解していないとダメよと、言っているわけですね。
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次は、「作戦篇」「プロジェクトリーダのコスト意識」に移りますね。
なんで「作戦」なのに「コスト」やねんと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、中国語では「作戦」は「実行計画」のことだそうで、銭がないと戦争はできないので、銭の話になるのでは、なんて思っています。ちなみに「プロジェクトリーダのコスト意識」という表題は、私が内容をまとめたらこうなったということです。
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