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孫子の兵法をプロジェクトマネジメントの観点で翻案したら 解説

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「孫氏の兵法」プロマネ観点で読むとこんな感じかな、といったこと書いていきます。 プロジェクトマネジメントやマネジメントに携わる方々へのヒントになればと思っていますので、ぼちぼちで…
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#プロジェクトマネジメント

私的解題-7「軍爭篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

「7 軍爭篇」プロジェクトの動きに関しての部分です。 ちなみに、有名な「風林火山」は、ここから引用されています。 さて、解題に入ります。 まず、 「プロジェクトは、計画を立てて、メンバーやリソースを集め、方針を示し、理解してもらい、メンバーが一丸となって動くようになるまでの立ち上げのプロセスが最も難しい部分になります。」 → 「メンバーが一丸となって動くようになるまで」が、記述のとおり難しい部分になります。ただ、ここを超えれば組織的慣性が効き始めるので、経験的にも、ずいぶん

私的解題-8「變爭篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

「8 變爭篇」プロジェクトを取り巻く状況への対応指針とリーダの意識に関しての部分です。 ここでは、前回の「風林火陰山雷」みたいな、漢字一文字でこんなこと言っています。みたいな「判じ物」は出ていませんので、お気楽に読んでください。 まずは 「何か事象が発生して、何かしらの対応を行うにしても、対応を行ってよい場合と対応を行ってはいけない場合があります。新たにプロセスを展開する場合でも、時と場合に応じて、展開してよい場合と悪い場合があります。ですので、状況への対応の仕方を理解し

私的解題-9「行軍篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

「9 行軍篇」プロジェクトを進めるためのリーダの心得に入ります。 「プロジェクトを進めるに当たっては、目標に到達するための利を勘案して自らの位置を定め、そこから自他のリスクの関係を見ることが必要です。また、自らの目標に到達するための利が常に相手のリスクや損失ではないことの理解も必要です。」 → 「目標に到達するため」には、漫然と進めるのではなく、目標に到達するために必要な「利」(メリットとなるリソースやコスト、タイミング、ポジション等)が取得できるかを考え、その上で自身のプ

私的解題−10「地形篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

「10 地形篇」プロジェクトハンドリングのガイドラインですね。 もう少しで最後なのでお付き合いいただければと思います。 「プロジェクトにはさまざまなタスクがあり、簡単なものもあれば難しいものもありますが、各々、対応に応じて利と損失が伴います。リーダは、プロとしてこれらのことを理解しなければなりません。」 → 「プロジェクトにはさまざまなタスクがあり、簡単なものもあれば難しいものもあります」のところは、言われなくても判っています。というところですね。 次が「各々、対応に応じて

私的解題−11「九地篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

「11 九地篇」プロジェクト オペレーションの章ですね。 残り三章になりました。さっそく本文に入ります。 「プロジェクトの状況は様々です。プロジェクトがまだ始まっていない状態。まだプロジェクト全体が動ききっていない状態。プロジェクト内でぐずついている状態、プロジェクト全体が危機に瀕している状態。リーダは各々の状態に合わせてプロジェクトをコントロールしないといけません。」 → 各々のプロジェクトの状況の例示を行い、そういう状況の中でもリーダは各々の状態に合わせてプロジェクトを

私的解題−12「火攻篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

「12 火攻篇」障害とリスクマネジメントを簡潔に書いています。 「プロジェクトの障害を短期間で、かつ、最小限のコストで、味方へのダメージを最小限に抑えながら取り除くには、実際に障害を引き起こしているものを排除する等、いくつかの対策があります。しかし、こうした対応を可能にするためには、効果的な条件が整っていなければなりません。また、条件を整えるためには準備が必要で、実行には必ずタイミングがあり、それが読めなければ対応は成功しません。 対応を仕掛けたら、必ず対応に正しく応ずる対

私的解題−13「用閒篇」 孫子の兵法をプロジェクト マネジメントの観点で翻案したら

とうとう、最後の章に来ました。初めはゆっくりでしたが、終わりは脱兎のごとくですね。 「13 用閒篇」情報収集でのリーダの要件を書いています。 本文に入る前に少し一言。 この翻案ではプロジェクトマネジメントにかかわるエッセンスの部分だけを取り出して翻案しています。ですので、今まででも原文にはあっても翻案がない部分があったかと思います。この「用閒篇」の原文には各種『間諜』の種類や使い方が記載されていますが、他の章と同じように、プロジェクトマネジメントのエッセンスに関わらなさそ