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オグナ 小説(10)
↑ここまでのお話
オトタチバナヒメはタケオシヤマタリネの養女で小碓命との間にワカタケヒコというお子が居る。
他にも養子として引き取っていて9人の子の母だ。
小碓命の后のフタジイリヒメに次いで2番目の妃で近侍している、
学問にも礼法にも通じた有能な女性だ。
「過去には大国主がやっていたように平和的に友好関係を結ぶために政略結婚は有効な手立てよ。」
オトタチバナヒメは言う
「でも、尾張はすでに友好な関
オグナ 小説(11)
↑ここまでのお話
それからはオトタチバナヒメに言われたからか私の周辺で小碓命を見かけることが多くなった。
いちいち声をかけてくる皇子に私はウザいと少々不敬な思いを抱いていた。
「ミヤズヒメはなかなかに情の強い女性なのですね。」
皇子は言う
「強情ですか。天叢雲剣の事は承りましたが、皇子にはオトタチバナヒメがいらっしゃるでしょう。あんなに綺麗で頭の良いお妃が近くにいらっしゃるのに何が不満なのですか
オグナ 小説(12)
↑ここまでのお話
注意:少しだけ衝撃的な描写があります。
水場で皇子は顔の傷を洗う。
私は木の桶に水を溜めてその中に手をつけている。
「私には双子の兄が居たんだ。」
顔を拭きながら皇子は言う。
「あのバカは大王の代わりに美人と評判の姉姫(エヒメ)と弟姫(オトヒメ)を迎えに行ってそのまま自分のものにしてしまった。そして大王に代わりを差し出した。」
それは思ったよりゾッとする告白だった。
「ある日
オグナ 小説(13)
10日ほど開いてしまいました。すみません。
↑ここまでのお話
「十年以上かけて戦いから戻った私に大王はなんて言ったか、わかるかい?」
水に付けていた私の手を取り、顔を拭いていた布で私の手についた水をとんとんと取ってくれる。
お互いの距離の近さにドキドキする。
顔が良いっ。
「朕は出雲建を倒せなどとは言っていない。お前はおかしい。そんなに戦いが好きなら東の蝦夷も討ち取ってこい。とね。」
悲しそう