シャッター音で、告白を
私の体は、写真を撮るようにできています。
無意識に構えてしまうというか、なんというか、そういう意味です。
時間は前にしか進まないように、私達も日々変化していく。
私は老い、娘達は大きく、しっかりと成長していく。
当然、今日の私にも、今日の娘にも、今日しか会えない。
そして、どの瞬間の私も、どの瞬間の娘も、愛してやまない。
だからまた、会いたくなるのだ。
記憶は曖昧で、本当にたくさんのことを忘れてしまう。
でも、写真にはちゃんとあの日の私達がそのまま現れる。
会える。
だから私は写真を撮る。何万枚でも。
私が何度も会いたいのは、笑顔の娘だけじゃなくって、
泣いてたり、怒ってたり、何も考えてないようだったり、何でもいい。
恋をすれば、愛が芽生えれば、どんな相手も知りたいし、愛してしまうように。
だから、どんな瞬間もシャッターチャンスでしかない。
忘れていい瞬間なんて、私には一つもない。
いつか私が老いたとき、娘達が大きく成長したとき、
もしも、私の昔の姿を知りたいと思ってくれたら、
そんな関係をずっと育んでいけたなら、
そう思って、願って、
娘達のために、娘達に愛されたい私のために、
私は私を撮る。夫も撮る。
愛してる、愛してほしいって音。ピーカシャッ。
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