...眺める。
眺める。
無邪気な背中を、
眩しく輝く大きな瞳を、
天真爛漫に弾ける顔を
...眺める。
卑劣な目つきを、
厚かましい仕草を、
怒りに満ちた背中を...
そういう自分の姿に
気づかない虚ろな瞳を、
...眺める。
今は消え去ってしまった、
無邪気で無垢な瞳を、
命とともに与えられた何かを、
...眺める。
人種と国籍、
親と生まれた環境、
プロパガンダと資本主義、
...思考が作り出した、
あらゆる人工的な何かに
影響されないものを、
それは決して...
言葉では言い表せない、
果てることのないものを、
だから...
思い描くことも未知という
言葉すらつけれないものを、
...眺める。
戸惑い、憤りに震え、
必死に感情を抑えようと
もがく自分の姿を、
...眺める。
誰かに認めてもらいたがり、
そして少しそれが叶えば、
溢れるエンドルフィンに
満面の笑みをこぼす自分を...
またはその反対のことで
落ち込む自分を、
...眺める。
未知なるものへの好奇心に、
ただ今を生きることの悦びに、
あらゆるものに満ち足りている、
息子の透明な瞳を、
...眺める。
そして無数の過去と感情が、
それを何度も追いかけている思考が、
全て意味をなさないことを…
もし...生きることに、
何かしらの意味が、
何かしらの目的があると
そう言うならば...
それはきっと…
あの瞳...あの未知なる今を…
生きることであることを、
...眺める。
その時...
あらゆる過去が、
あらゆる感情が、
一瞬にして...
全て眺められる時...
果てしなく流れる涙を、
...眺める。
「観察するものは観察されるものである」
‐ j.クリシュナムルティ ‐
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