すべての手紙を出し終えた日
最後の手紙を出し終えたあとの世界にて珈琲を飲んでいます。手紙を書き続ける日々がとうとう終わってしまった。みんなこの町から出かけて行った。私の呼び声、私の歪な文字の祈りよ。いってらっしゃい。気をつけてね。
書くことで守ってきたこと、書くことで守られていたこと、それから言葉では語り得ないもの。行動は表情は言葉の外にあり、語ろうとする傍から越えられない壁が生む影に立ち尽くしていることに気づかされる。手紙を書き終えたここからは、いよいよ書けないものに向かってゆく。あとはやるだけだ。