『世界の危険思想』感想 / 人の命が軽すぎる世界
今回は、「世界の危険思想 悪いやつらの頭の中」という本の感想を書いていきたいと思います。
筆者は、世界の危険地帯や裏社会を取材し続けるジャーナリスト、丸山ゴンザレスさんです。「クレイジージャーニー」という番組にも出ているので、知っている方もいると思います。
どんな本?
この本は、「人はなぜ殺すのか」という問いについて、筆者がこれまでの取材や経験をもとに考えていくという本です。
殺し屋、麻薬組織、スラム街、売春など、この世のあらゆるアンダーグラウンドな世界の実態を知ることができます。
さまざまな感情が入り乱れる
この本を読んでいると、
「日本人の自分には到底理解できない価値観だ」と思う一方で
「そんな環境だったら、それしか生きる道がないのか」と少し納得してしまったり、
過酷な環境で生きる彼らに少し同情したり、
読んでいるうちに、さまざまな感情が湧いてきます。
「こんな世界があるんだ」
海外旅行に行くと「こんな世界があるんだ!」と感動することがあると思います。今まで自分が育ってきた環境とは全く違う世界に感動し、そこに住む人々との出会いにワクワクすることでしょう。
普通は、知らなかった世界を知ると、感動と興奮を覚えるはずです。
しかし、この本を読むと
「こんな世界があるんだ…。」という衝撃で放心状態になります。
人の命が軽すぎる世界、生き地獄のような世界、我々の想像もつかないような残酷な世界などが紹介されています。
理不尽すぎる世界に絶句しつつも、自分の力では救えないという無力感を感じます。
しかし、怖いもの見たさのような感じがあり、好奇心をくすぐられます。
「知る」ことの大切さ
俺はこの本を読んで
「人は生まれながらにして平等ではない」ということを学びました。
インドのカースト制度や、バングラデシュの売春街などの話で、それを強く感じました。人間はみんな平等であると思いたいけれど、実際は違います。
この世界は、理想論や綺麗ごとだけでは語れません。目を背けたくなる現実についてもしっかりと学ぶ。
この「知る」という行為は、そういった現実を変えるために我々ができる一番簡単なアクションだと思います。
例えば、格安通販の「SHEIN」なども、過酷な労働環境が問題視されています。それでも、そういった裏側を知らずにただ「安いから」という理由で買っている人がたくさんいます。
このような問題のあるSHEINの製品を買うということは、言ってしまえば、人権侵害する悪い組織を応援していることと同じです。
一方、その人権問題を知っている人は「SHEIN製品を買わない」という選択ができます。つまり、「知る」という行為は、「知らぬ間に悪に加担すること」を避けることができるのです。これは一例にすぎませんが、知識は人を助けると信じています。
最後に
俺は、この本を読んで本当に良かったです。裏社会のリアルをここまで知ることができるのはすごいことだと思います。
文章もとても読みやすくて、おすすめです。
・自分の価値観が通用しない世界
・常識が破壊される感覚
をぜひ味わってみてください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。