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映画「シルミド」を見て、映画の伝わりやすさと凡庸さについて考える。

かねてから見てみたいと思っていた映画「シルミド」がアマゾンプライムで見ることができた。

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実際に起こった事件を元に制作された映画なんだけど、もちろんフィクション。
こういった映画を見るときに思うのは、
「これは創作であって、史実ではない」
と言い聞かせること。

例えば映画の中では死刑囚やならず者がシルミ島(ド)へ連れていかれて、対北朝鮮へのゲリラ部隊として鍛えられていくという設定だったが、実際は一般人からの応募(勧誘?)だったそうだ。
これに関しては、遺族から名誉棄損で訴訟も起こされているらしい(ネット情報)

内容を史実だと思わず、それでいて過去にこんなことが実際にあったんだな、と感じながら楽しむのが「事実に基づいた」映画の楽しみ方。
だから、史実に忠実に再現してないだけで低評価を付ける人もいるけど、僕は許せちゃう派なのだ。

史実に忠実に再現しないと評価できないならば、時代劇の大半は低評価しかつかないよね。
そんな楽しみ方、もったいない。

そんな、シルミド。
内容はさておき(さておくんかーい!)、映画としてどうだっかといえば。
2003年の韓国映画は、今の韓国映画と全然クオリティが違うなぁ、、、という感じ。

今の韓国映画のクオリティは、なかなかのもの。
しかし、当時はやはりイマイチ。古臭いと言ってしまえばそれまでだけど、今の韓国映画から逆算しても、イマイチ感は半端ない。
逆に言えば、韓国映画の進歩がすさまじい、と言えなくもないけど。

演者の演技、脚本、映像、どれをとってもB級。シルミド事件の史実というバックボーンが無ければ、まったく凡庸な映画だと思う。

だが。
凡庸な映画がつまらないかといえばそういうわけではなくて、凡庸には凡庸な良さがある。

なんといってもストーリーが分かりやすく、人の感情表現も単純なので、見ていてストレスがない。
ストレスがないし、怒り、喜び、辛さ、迷いなどといった感情の起伏がすごく分かりやすく描かれるので、最後まで楽しめてしまう。

つまり「分かりやすさ」というのは、すごく大切だということ。

どれだけ凝ったつくりであっても、分かりにくかったら面白くないということ。

分かりやすく作る(伝える)というのは、究極に難しい。
分かりやすく伝えるためには、細部にこだわらないと伝わらない。

例えば、文章でも最後を「お願いします」で終わるか「お願いいたします」で終わるか。
これだけで人の印象も伝わり方も違う(と信じている)

映画も同じで、どう伝えたら分かりやすいか?
基本は台本をシンプルに、演者の感情表現を大げさに。
これだけで分かりやすくなる。
ただ、これをやると映画が凡庸でつまらなくなるんだけど。

分かりやすく伝わりやすい映画が凡庸になってしまいがち。


そういう意味ではトム・クルーズってすごいな。
あれだけ伝わりやすい映画に出演し続けても、映画のクオリティもそれなりに高いし。

あ、最後はトム・クルーズまで出てきて、話が逸れていくので、シルミドの話はここで終わろ。。。


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