「ミュージアムをひとつくれ。埋めてやる」
≪ パリ滞在記・その14 ≫
〜 Musée national Picasso, Paris 国立ピカソ美術館 〜
パブロ・ピカソの美術館に行ってきました。
もともとは塩税徴収官の邸宅だったということもあり、装飾的というより少し堅い感じの外観。門からのぞく姿には、巨匠の名にふさわしい重厚感があります。
17世紀に建てられた通称 塩の館 (Hôtel Sale)を改装して2014年に再オープンしたのが現在の姿。中に入ってみると とても現代的でスタイリッシュな美術館に生まれ変わっていました。
ここは、ピカソ自身が終生 愛蔵していた多くの作品に直接触れることができる場所です。
”青の時代“、”バラ色の時代“、”キュビスム“、”新古典主義“、”シュルレアリスム“、”アフリカ美術“…。詳しく知らなくても いくつもの様式や潮流をたどって来たことがわかります。やはりピカソという人は、人並外れたエネルギーを持ち、生涯にわたって次々と新たな表現に挑戦し続けた天才なのですね。「ミュージアムをひとつくれ。埋めてやる!」とは本人の言葉です。
比較的 “わかりやすい” 作品を好む傾向にある未熟者の私にとって、あまりピンとこない作品(←すみません💦)もありましたが、お気に入り作品もたくさん見つけました。
例えばこちら『水浴』。
女性たちのポーズが作り出すフォルムや、水着の色・柄が画面全体を都会的にしているのでしょうか、とてもお洒落な作品です。
これは1918年の夏(第一次世界大戦中)、スペイン国境沿いの大西洋岸の高級リゾート地に 新婦オルガと滞在していた時に描かれた一枚だそうです。
よく見ていると、水色と白のストライプ水着の女性はとても不自然な格好をしています。長く伸びた手は、まるで生き物のような髪の毛を掴み、短い脚は伸ばした手と同じ方向に向いています。踊っているのか、手足が体とは別の意思を持っているのか…。太くて長い首から伸びる女性の顔は、身体とは無関係に天高くを仰いだまま時が止まっているようです。うまく説明できませんが、とても気になる一枚でした。
そしてピカソ自身がコレクションしていた作品も興味深いです。
↑. セザンヌ、ヴュイヤール、ルソー、モディリアーニ、バルティス…。
人物を描いたジョアン・ミロの作品 ↓ も素敵でした。
閉館時間まで1時間半ほどしかなかったので、ゆっくり見て回ることはできませんでしたが、ピカソが まるで食事をするかのように作品(素描、油絵、版画、彫刻…)を生み出し続けたエネルギーに圧倒され続けました。
閉館間近でしたが、ミュージアム・ショップでたくさんお土産を購入できたので、大満足です。😊😊😊 <その14> 終わり
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