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13時間ジャングルを歩いて先住民の村へ(前編)
赤道直下に位置するボルネオ島。この島の北部に位置するマレーシア領サバ州という所に暮らす先住民ドゥスン人(Dusun)の村を訪れた。
目的地のその村までは、一番近い町から車で1時間弱走り、そこからジャングルを歩いて13時間かかるという。そこで、1日目は7時間歩いた所にある途中村で一泊させて頂くことになった。
参加者は日本人2人、現地ガイドさん2人、日本語ガイドさん1人、サバ出身の方1人。計6人で2日間かけてジャングルトレッキングをした。
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目的地の村に一番近い町から車で1時間弱走り、トレッキング出発点の村まで行く。車を降り、いよいよ熱帯雨林の広がるジャングルへと入っていく。トレッキング歴の浅い私は、皆さんの足を引っ張らないか少し緊張していた。
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ぬかるんだ山道。つまずいたり、滑ったり、踏み外したりしてて落下しないように、集中する。苔の生えた石には要注意。
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ワイヤーと木材でできた古い吊り橋。安全のため、一人ずつ渡る。
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3時間歩いて、ここでお昼休憩。石に腰を掛け、川のせせらぎを聞きながらお弁当をいただいた。
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途中の村までは、あと4時間ほどのトレッキング。熱帯林に癒やされながら山を登っていると、目の前に巨大なアリの巣が出現。
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下を向いたら、こちらは大きなタマヤスデ。
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ボルネオ島のジャングルでよく見かける群竹。最初はトレッキングで皆さんの足を引っ張らないか心配だったが、熱帯植物や虫たち、鳥の鳴き声、川のせせらぎは私を楽しませ、緊張をほぐしてくれた。
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17時。7時間のトレッキングの末、ついに途中の村に到着。ここには、先住民ドゥスン人が暮らしている。集落があるわけではなく、森をかきわけた中にポツン、ポツンと家が点在していた。
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豚やニワトリは放し飼い。今晩は、村の方のお宅にお世話になります。
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寝泊まりするお部屋に案内して頂くと、竹床が光に照らされ美しく輝いていた。
当時、この村では電気は通っていなかったので、ロウソクや懐中電灯を灯して過ごした。ヘッドライトは両手が空くのでとても便利だった。テーブルに用意してくださっていたコーヒーをいただき、少し休憩。
日が暮れる前にシャワーを浴びる。シャワーと言っても、トイレの脇に設置された水道から桶に水を溜めて浴びる。日が暮れる前に浴びないと水がとても冷たい。
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夕食の時間。6人だけなのに、こんなに用意してくださっていて驚いた。ほとんどが自給自足でまかなったものだ。
メニューは写真右上から、瓜と鶏肉のスープと玉ねぎと鶏肉の炒め物。右下から、赤米、パキスと呼ばれるシダの葉と空心菜。一番左下はなんだろう…。焼畑で収穫された赤米は香りがあってとても美味しかった。ボルネオ島のジャングル中で自然の恵みを頂く。なんて贅沢な時間だ。
お腹は満たされ、少し皆さんとおしゃべり。明日もトレッキングなので、20時には就寝する。電気はなく、電波もない暮らし。自然に眠たくなる。虫の声を聞きながら、おやすみなさい。