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葉まで食べられる!ボルネオ島でタピオカ掘り
ボルネオ島の民芸品店を営んでおりますラヤンラヤンと申します。新型コロナウイルスが感染拡大してからはまだボルネオ島に行けておりませんが、この地にあるドゥスン(Dusun)と呼ばれる先住民の暮らす村にたまに住んでいます。
舗装道路がない山奥にあるこの村の人々は自給自足の生活を営んでいます。焼畑や田んぼで稲作を行いますが、主食の一つにタピオカ芋、いわゆるキャッサバがあります。
マレー語では、ウビカユ(ubi kayu)。ドゥスン語では、ムンドッ(mundok)と呼ばれるタピオカは、生のままでは有毒な食べ物ですが、茹でて食べたり、ごはんと混ぜたり、お酒を造ることもできます。今回は、村でタピオカ芋掘りに行ったお話を写真と共に綴らせていただきます。
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村ではよく、タピオカは稲作を終えた後の焼畑に「挿し木」で植えています。村のお母さんの農作業について行った際に、10cmくらいのタピオカの苗木を斜めに植え込んでいるのを見て、その時に初めて知りました。写真①は、ぐんぐんまっすぐ伸びたタピオカの木です。この下に芋が埋まっています。
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タピオカの掘り方はシンプルです。まずは、葉のついた上部をナタでカットします。写真②はその状態です。この茎の根元を握り、引っこ抜きます!掘り方はシンプルなのですが、とても力が要ります。私には無理でした・・・
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引っこ抜くと、丸っこい茶色の塊が出てきました。こちらがタピオカのお芋です。一つの茎の根にたくさんの芋がついていました。
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長くて大きな芋は、簡単には顔を出してくれません。引っ張って、引っ張って・・・途中で切れてしまうこともあります。
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運ぶ前にその場で根から芋を切り落とし、余分な土を落とします。
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ラタンで作られたサギン(saging)と呼ばれるかごいっぱいに入れて、村の居住地まで山を下り背負って帰りました。
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茶色のお芋ですが、皮を剥くと白くつるつるしています。皮は分厚いですが、切り込みを入れるとスルッと剥けます。コツをつかむまでは難しかったです。慣れない時は指を深く切ってしまったことも・・・
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このタピオカ。なんと葉っぱも食べられるんです!古い葉は硬いので、若葉だけを摘み取ります。
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えぐみがあるので、塩もみをして、水分を絞ってすすいでから調理します。アンチョビと炒めたらとても美味しいです。
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ちなみにですが、生の砕いたタピオカ芋はニワトリのエサになります。人間は食べられませんが、これを食べて育ったニワトリを人間が食べます。命をいただくことの重みを村で学びました。
村生活には欠かせないタピオカ。生のままでは有毒な食べ物ですが、芋はお酒にもなり、葉まで食べられる万能な食物でした。