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13時間ジャングルを歩いて先住民の村へ(後編)
「コケコッコー。」ニワトリの鳴き声で目覚める。まだ外は薄暗い。ここはボルネオ島の山奥。
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私は今、先住民ドゥスン人の暮らす村まで、2日間かけてジャングルをトレッキング中である。昨晩は、目的地の途中にある村で1泊させて頂いた。こちらもまたドゥスン人の村だった。
熱帯のボルネオ島だが、山奥の朝は寒い。朝食を頂き、バックパックに荷物をまとめる。午前8時過ぎ、目的地の村へトレッキングスタート。お世話になった村の方に、ドゥスン語でご挨拶させて頂いた。
「コトルアダン(kotoluadan)」
ありがとう
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今日も、熱帯雨林の中を進んでいく。整備されたトレッキングコースではなく、昔からこの地域の方々が行き来している道。
木や竹が倒れていたり、草が生い茂っていたりするので、トレッキングガイドさんはなたを使い、私たちが歩きやすいように整備しながら先頭を行ってくれた。
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しばらく歩くと、焼畑が見えた。木を切り倒し、乾燥させている。これから焼くのだろう。
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こちらには、トウモロコシ畑が広がっていた。のどかな田舎の風景に、心癒される。ここら辺にも集落があるのかな。
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少し歩くと、一つの民家に出会った。ここもまたドゥスン人の方が暮らす村だそう。村の方は落花生の処理をしていたので、ご挨拶させて頂いた。
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トレッキング開始から、3時間経過。こちらの民家の近くに流れる川でランチ休憩をとることにした。目的地の村までは、さらに3時間のトレッキング。
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ここからのルートは、川が多いそうだ。この川を渡るというので、日本から持ってきたサンダルに履き替えた。トレッキングガイドさんは、先にバックパックとトレッキングシューズを持って川を渡ってくださった。
川底には石がたくさんあり、ガタガタしていて踏み外しそう。滑らない石を探しながら、ゆっくりゆっくりと渡る。
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少し歩いてから、次なる川。またトレッキングシューズからサンダルに履き替える。時間はかかるが、トレッキングシューズで川を渡り、濡れた靴を履いたままだと、爪が剥がれて後々大変なことになってしまう。
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またまた川。川を渡って、少し歩いてからまた川を渡るの繰り返しである。この川は流れが速く、膝まで水深があるので、二人一組手を取り合って渡った。
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この川は浅いので、一人で渡れそうだ。
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次の川は、浅そうではあるが対岸まで少し遠い。透き通っていて泳ぎたくなる川だ。いよいよ、次が最後の川。
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最後は、体が浸るくらいの深い川だった。危ないので、まずトレッキングガイドさんが対岸までロープを張ってくれた。これを伝ってゆっくりゆっくりと進む。
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そして、ついに村に到着した。到着した時には、全身ずぶ濡れだった・・・。
<前編>