民法96条3項には、主語がない。主題を目的語に戻し、主語を補充しましょう。
今日も民法の条文を工事します。
民法96条3項
前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
この条文の動詞(Verb)は、「対抗することができない」。
では、この条文の主語はどれだろうか?
「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し」が、主語(Subject)かな?
そうではありません。
「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し」は、主語(Subject)ではありません。
「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し」は、主題です。
「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し」は、もともと目的語(Object)だったのです。
・主題提示の助詞「は」を、目的語を示す助詞「を」に変え、
「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し」を主題から目的語に変えましょう。
では、この条文では主語(Subject)はどこにあるのでしょうか。
この条文では主語が省略されています。それでは、主語を補充しましょう。
主語(Subject)は、「騙された者」です。
・実際に96条3項に主語(Subject)を補充してみましょう。
民法96条3項(我流改訂版)
騙された者[主語(Subject)]は、
前二項の規定による詐欺による意思表示の取消し[目的語(Object)]を
善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない[動詞(Verb)]。
だいぶ読みやすくなりました。
民法では【主題+動詞】という形の条文が多い。
民法の条文は、【主語(Subject)+目的語(Object)+動詞(Verb)】
という形であってほしい。