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民法の条文でいつも混乱。主語? 主題? 目的語?

民法96条1項 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。


この条文の動詞(Verb)は、「取り消すことができる」。
では、この条文の主語(Subject)はどれでしょうか?

「詐欺又は強迫による意思表示は」← 助詞「は」がついている。
助詞「は」は主語を示す。中学生の国語の時間でそう教わった。
つまり「詐欺又は強迫による意思表示」が主語(Subject)だあ! 
と思ったら、それは間違いです。

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「詐欺又は強迫による意思表示」は、主語(Subject)ではありません。
「詐欺又は強迫による意思表示」は、主題です。※
「詐欺又は強迫による意思表示」は、もともと目的語(Object)だったのです。
※ここの「主題」とは、日本語文法で用いられる「主題」のことです。

そこで、
・主題を示す助詞「は」を、目的語を示す助詞「を」に変えましょう。
・「詐欺又は強迫による意思表示」を、主題から目的語に変えましょう。

では、この条文では主語(Subject)はどこにあるのでしょうか。
この条文では主語が省略されています。それでは、主語を補充しましょう。
主語(Subject)は、「騙された者または強迫を受けた者」です。
・実際に96条1項に主語(Subject)を補充してみましょう。

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赤ペンで書き込んだとおりに、条文を改良してみました。

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96条1項(我流改訂版)
騙された者又は強迫を受けた者は、
詐欺又は強迫による意思表示を取り消すことができる。

だいぶ読みやすくなりました。

民法では【主題+動詞】という形の条文が多い。
民法の条文は、【主語(Subject)+目的語(Object)+動詞(Verb)】
という形であってほしい。





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