僕とホースセラピー～サクラローレルのその後～
天皇賞を勝ったサクラローレル。
その後は、
オールカマ―（GⅡ）1着…現役中のローレルのレースを現地観戦できたのは結局このオールカマ―だけでした。
天皇賞秋（GⅠ）3着
有馬記念（GⅠ）1着
1997年天皇賞春（GⅠ）2着
と転戦。
1997年は、凱旋門賞を目指すことになっていました。
後に、エルコンドルパサー・ナカヤマフェスタ・オルフェーブルが2着になり、毎年のように日本馬が出走し、あと1歩と言えるまでになった凱旋門賞優勝。
僕の中では、競馬ゲーム「WinningPost」の影響とローレルがフランス縁の血統なことから、当時から凱旋門賞には注目していました。
血統・フットワークから、ヨーロッパの力のいる馬場は合っている、そう思っていました。
そして、9月14日。
前哨戦のフォワ賞（GⅢ）。ローレルは1番人気でした。
ここで格の違いを見せつけて、日本内外が「最強馬はサクラローレル」と認める、そう思ってやみませんでした。
でも…。
直線伸びない。
何で？何で？
まさかの8着、しんがり負けでした。
レース後、右前屈健不全断裂が判明。
現地の獣医は安楽死を提案したらしいです。
何とか帰国でき、翌年から静内スタリオンステーションで種牡馬入り。
当時の日本の生産界は、既にステイヤー種牡馬は人気がなくなっていました。
なので、ヨーロッパ血統でGⅠ勝ちも長距離の2つであるローレルは、当初こそシンジケート（種付けの権利）が組まれましたが、あっという間にマイナー種牡馬になってしまいました。
種牡馬時代に2回
功労馬として生まれ故郷で過ごしている時に1回
北海道に会いに行きました。
特に、生まれ故郷の新和牧場さんに行った時の感動といったら。
功労馬エリアには他にも複数の馬がそれぞれの放牧地にいたんですが、遠くからでも一目でローレルと分かった時は、思わず「ローレル！」と叫んでいました。
トコトコと寄ってきてくれれば最高だったんですが、そこはさすがGⅠ馬の威厳。
「アンタとは格が違うんだよ」と言われている気がしました。
また、新和牧場さんは道路を挟んで反対側に繁殖エリアがあって、そちらをじっと眺めては大きな嘶きを何度かして、威厳とオトコとしての存在感も見せつけてくれました。
他に誰も人がいない中で、ローレルや他の馬と存分に過ごせたあの時間は一生の思い出です！
2020年1月、29歳で亡くなったサクラローレル。
現代競馬の血統表で彼の名前を見ることはほとんどありませんが、今でも、最強馬はローレル、フォワ賞でのケガがなければローレルが凱旋門賞を勝っていた、そう思っています。
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