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命が燃える。映画「吉原炎上」
ひさしぶりに吉原炎上を観た。
ネタバレするのでお気をつけください。
今までに何度か観てましたが、この作品を観てまず思ったのが建物が広々としていて美しい。
1987年公開、舞台は明治40年頃の吉原。
琵琶湖の畔に当時の吉原を再現して撮影したそうです。
外のシーンがほんの少し明るい光に照らされてるように見えたのは
水辺だったからかと腑に落ちました。
小さい頃祖父母の家に行くと、亡き祖母はよく吉原炎上を観ていました。
暴れん坊将軍のときもありました。
ふだんはよく喋りよく絡んでくる美容オタクで孫狂い、横浜のホステスだった祖母(とてもかわいい)でしたが
吉原炎上を観てるときだけは
私がなにを聞いても「うん」とか「あぁ」しか言わなくなり
無言で食い入るように観ていました。
小さい頃はこの作品の面白さがわからなかったけど
最近、観れば観るほど面白くて魂が揺さぶられた場面があったので
noteにまで手が伸びました。
今回吉原炎上を観て、どうしても気になる方がいた。
小花花魁は噛んでぇ!の激しいシーンが印象的でよく語られていますが
何度か観ているととても慎ましやかで可愛らしく、気遣いに溢れてる女性だということがわかりました。
そのコントラストがあたしは好きすぎるんですねぇ。
弟の大学の学費のためにこの仕事をしているという設定を最期まで貫いた方でした。その弟の写真まで大切に持ち歩いていました。
「ここはあたしの部屋なんだ。中梅楼の御職はあたいなんだよ。弟と一緒に暮らすまでは、年季が明けるまでは、きっちり勤めるからね‼️‼️」
結核を患った小花花魁がフラフラになりながら店に戻ってきて、自分の部屋が別の女性に使われてると知ったとき、初めて激しい姿を露にしました。
きっと店の人達もみんな驚いたと思う、それまでずっと慎ましやかな花魁だったと思うので。
この方の生き様がなんだか頭から離れません。
演じられた仁支川峰子さんは「カーッと集中して演ったら乗り移られたね。たぶん花魁で強い想いを持って亡くなった人がいたんだね。」とYouTubeで仰っていた。
小花花魁は新人さん(若汐さん)が挨拶にきたときに、すぐに察して優しい笑みを浮かべていた。優しい。
もうひとり大好きなキャストがいますが、小花花魁とは毛色が違うのでもう少ししてから書けたらいいなと思います。