風が吹く
前回の記事を見てみたら、ちょうど1ヶ月前の22日。
減らした薬を元に戻したところだったみたい。
あれからまた、少しだけ薬を減らして、調子はというと、やや低空飛行だけどまぁぼちぼち浮かんでいるよ。といった感じ。
薬は段階的に減らしていっている途中だけれど、次の外来では、減らすのは少し待ってもらうつもり。
今の低回転の状態にもう少し体を慣らして、あわよくばもう少し動けるようになってから、もう一段階減らしてもらおうかな、と。
で、この1ヶ月の日々はどんなだったかというと、結構色々あった。
一番大きいのは、今年に入ってはじめての、新しい友達ができたこと。
それがきっかけになったのかはわからないけれど、なんだか少しだけ、止まった時間が動き出すような、いい風が吹いている気がする。
引越しをすることに決めた。
元々、いまの家はとりあえず決めた仮住まいの予定だったのだけれど、住み始めて一年目は忙しすぎて転居どころではなく、二年目は病気でそれどころではなく、三年目になる今年、いよいよ動こうか……来年は今より忙しいだろうしなぁ……と考えたりしていた。
(ちょっとボロかったり、壁が薄かったりということもあって、いまの家は主治医からもあまりいい印象を持たれていない)
けれど、時々思い出したように賃貸サイトを覗いてみても、思うような物件に行き当たらず。
煮え切らぬ気分を抱えたままに時間をやり過ごしていたのがここ数ヶ月。
それが、どうしたことだろう。
「引越しを提案します」
わたしの家に件の友人が遊びに来た二週間ほどあと。
老朽化で寝心地が悪くなったベッドを買い替えるか……レイアウトをどうするか……なぜか、家主であるわたしよりもノリノリで考えていた友人は、お茶をしている最中に高らかにそう宣言した。
「うーん、確かに、引っ越しは前から考えているんだけどねぇ」
でもいい物件がなくてね。
そんなふうに返した翌日。
例のごとく賃貸サイトを覗いてみたら、びっくりするくらい理想的な物件に巡り会った。
「運命かな?」
一瞬本気で、そう思った。
京都だと、こういう物件は出ても一週間と経たず消えてしまう。
善は急げ、と翌日不動産屋さんに足を運んで、現地を案内してもらって、そのまま申し込みへ。
実際の契約は内見してから(まだ居住中の物件なので)、ということで話はまとまって、ふわふわした心地で帰宅。
わー、わたし、引越すんだぁ(9割くらいの確率で)
考えてみたら、転勤などの事情なく、ただ住み替えとしてのお引越しははじめての経験。
なんとなく嬉しくなって、家にある家電をピカピカにしてみたり、ずっと面倒くさがっていた古ベッドの処分を進めてみたり(しばらくはお布団生活)、なんだかこのところ、家の中もすっきりしていっている。
そして、出会いが福をもたらしたのはわたしにばかりでもないらしく、
友人の方は友人の方で、悩んでいた仕事のことで勝負に出ることを決められたり、金銭的な危機をひとまず回避したりと。
こちらの方は中々に大変そうながら、本人は「救われた」と、しばしば大袈裟に感謝してみせる。
なんというか、生きてるとこうして時々、人生の分岐点みたいな出会いがある。
これから先、それぞれの道がどんなところへ繋がっていくのかはわからないけれど、できればお互いにとって、「あのとき出会えてよかったな」と感じるような未来が待っているといい。
そして末長く、友達でいられたらいい。
そんなことを思っている。
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