朝っぱらから美人速記者
2010年07月02日(金)の日記からの転載です。
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CSのTBSチャンネルで、朝っぱらから31年前のドラマ「水中花」を見ました。
たまたまだったのに、運よく第1話からありつけました。
網タイツのバニースタイルで「愛の水中花」を歌い踊る松阪慶子さんが、子供心にもそれはそれは妖艶で美しかった記憶しかなかったけれど、劇中の松阪さんは、「25歳の美人速記者」だったのですね。
私も一応速記士なのですが、今は音声反訳しかやっていないし、そもそも田舎在住だし、作中の彼女の年頃には既に子持ちで、昼間、お役所関係の会議に時々お邪魔する程度でした。
政財界の大物か何かしらんけど、あんな脂ぎったタヌキオヤジ2人の酔っ払い対談を速記するって、ちょっと考えられない仕事です。ただ、速記の教官から聞いた話によると、昭和には結構あったのかもしれません。
依頼人のうさんくささもパねぇ~。
「足でピアノを弾く男(in某柔道ドラマ)」近藤正臣氏演じる三流業界紙の編集長ときたもんです。
役所勤めの頃、稟議にまざって、よくわからないタブロイド新聞が回ってきましたが、多分あれは近藤正臣みたいな人が作っていたのでしょう(間違っても、あんなイケメンではないでしょうが)。
独自の理論展開とか、痛々しいほどに力強い書きっぷりをマジマジ読み込んでしまったこともありました。
その美人速記者が、何故にあのような風邪引きそうなバニーガール姿で歌い踊る必要があったのかについては、ご存じの方はご存じでしょうが、ご存じない方は、ウィキペディアでお調べになってください。
仕事柄注目したのは、松阪さんが速記をとっているシーンです。
ちょっと引きでとった彼女と、手元しか映らなかったので、恐らく速記符号を書いていたのはプロの方だったのでしょう。素人さんではあんなにスムーズな連綴は無理だと思いました。
レポート用紙的なものに書いているのが、ちょっと気になりました。
符号が小さ目ではあったけれど、めくるのに時間かかるだろうし、ここはやっぱり、昔ながら?の半紙の符号帳か、せめて見開きのノート(白紙)にとってほしかったなと。
でも、思ったよりずっとちゃんとしていました。
あんな夜遅くの仕事なのに、「明日の朝までに反訳を」というのもなあ。
当時は、そして民間では結構普通のことだったのかな。
寝ないといい仕事できないよー。
少なくとも、あの状況なら、わざわざ高い金払って速記者雇うんでなく、ライター自らテープ音声をもとにエッセンスをつまみ出して(どうせ酔っ払いは1時間の間に同じ話を3回はする)、 自分で記事に構成したほうがいいだろうに。
ツッコミどころはいろいろあったけれど、
松阪さんの一家(女3人世帯)に絡んでくる船越英二さん(船越英一郎のパパさん。声や話し方が似てる!)の存在もちょっと気になるし、きっと続きも見てしまうことでしょう。
また、きっと朝っぱらから。
それにしても、どんなものでも「朝っぱらから」をつけると、悪いこと・感心しないことに聞こえてしまうのはなぜだろう。
「朝っぱらから仕事」「朝っぱらからボランティア」
「朝っぱらから節約」「朝っぱらから地球人殲滅」