自律神経に一番良い運動とは?
ご覧いただきありがとうございます!
「健康のために運動をした方が良い」
これはみんなが知っている当たり前のことです。
では、自律神経にとって、運動はどうでしょうか?
もちろん、自律神経にとっても運動は良いことです。
しかし、運動と言っても多種多様です。
では、自律神経にとって一番ベストな運動はなんでしょうか?
運動はもちろん身体に良いことですが、やり方によっては、効果があるもの、ないもの、もしくは逆効果なものがあります。
今回は、自律神経のバランスを整えるための運動方法を、詳しくご紹介いたします◎
★自律神経にとってベストな運動
自律神経にとってベストな運動は“有酸素運動”です。
有酸素運動と無酸素運動のどちらが自律神経のバランスを整える効果があるのかを研究した論文がいくつかあります。
どの研究も有酸素運動を継続的に行ったグループの方が、副交感神経の活性度が上昇したという結果が出ています。
一方、無酸素運動を行ったグループは、効果的な結果はあまり出ず、変化が見られない、もしくは交感神経が優位となり、結果的にバランスが崩れるというデータありました。
一つ、例外として、オリンピックや世界選手権上位に入るプロのアスリートは、無酸素運動により、交感神経、副交感神経どちらも効果的に活性するというデータが出ておりました。
このことから、非常に強度な運動を日常的に行っており、身体の栄養状態や日常のケアなどが非常に高いレベルに整っている状態にある方は、効果があると考えられます。
世界トップレベルのプロアスリートではない限り、自律神経の活性のためには、有酸素運動を行うことをおすすめいたします。
もちろん、無酸素運動=身体に悪い
ということではなく、あくまでも“自律神経”においての視点です。
無酸素運動も“健康”にとっては良いことです。
★オーバートレーニング症候群に注意
無酸素運動を日常的に行っている方は、オーバートレーニング症候群に注意が必要です。
【オーバートレーニング症候群】
疲労が回復しないまま激しいトレーニングを継続することによって生じる慢性疲労状態。
急激な運動能力の低下や倦怠感、睡眠障害などの症状が見られる。
無酸素運動によって、交感神経の活性度が急激に上昇します。
運動終了後、交感神経の活性度は低下し、副交感神経の活性度が上昇してきます。
この時に、交感神経の活性度よりも、副交感神経の活性度が優位になれば、身体が正しく休息モードとなり、身体がリカバリーされます。
しかし、高強度の無酸素運動を継続しすぎていたり、副交感神経の活性度が低い方は、運動終了後に交感神経よりも副交感神経の活性度の方が低い状態となり、常に交感神経優位な状態となります。
このような方は、身体を休めるタイミングがなくなり、自律神経が乱れ、オーバートレーニング症候群になりやすくなります。
★どんな有酸素運動が良いのか
おすすめの有酸素運動は“ウォーキング”もしくは“ランニング”です。
ウォーキングは30分〜40分程度
ランニングは20分〜30分程度
がおすすめです。
どちらもやり過ぎには注意です。
定期的に運動を行っている方は、少しずつ時間を増やすことは良いですが、運動習慣がない方は上記程度の時間から行うことをおすすめします◎
★リカバリーが非常に大切
有酸素運動、無酸素運動に限らずどちらもリカバリーの時間を取ることが非常に大切です。
リカバリーとは、
・マッサージを受ける
・お風呂に浸かる
・冷水浴をする
・睡眠時間を十分にとる
などです。
特に無酸素運動を激しく行う習慣がある方は、必須となります。
日常的に副交感神経を活性させる習慣を身につけるようにしましょう。
★リカバリーに逆効果なもの
リカバリーを行うことはとても重要ですが、リカバリーを阻害する因子にも十分注意が必要です。
リカバリー阻害因子
・喫煙(紙巻き、噛み、嗅ぎ、電子全て)
・飲酒(特に長期大量摂取)
・カフェイン(特に夕方以降)
・痛み止めの服用(短期は良いが日常服用は×)
などです。
当たり前のことですが、改めて意識していくことも大切です。
★まとめ
運動が自律神経に及ぼす影響について、詳しく紹介させていただきました。
普段から運動習慣のある方は少しだけ、運動の方法やリカバリーを工夫してみることをおすすめします。
日常から運動習慣のない方は、これを機に少しずつ少しずつ運動を始めてみましょう◎
最後までご覧いただきありがとうございました。
【参考文献】
第 74 回日本自律神経学会総会 / 自律神経レクチャーズ 17 / 加藤倫卓 運動療法による自律神経と循環のコントロール 加藤倫卓 栗田泰成 塚本敏也 中野 渉 中野聡子 髙木大輔
Floras JS, Ponikowski P. The sympathetic/parasympathetic imbalance in heart failure with reduced ejection fraction. Eur Heart J 2015; 36: 1974-1982.
Toschi-Dias E, Rondon MUPB, Cogliati C, et al. Contribution of autonomic reflexes to the hyperadrenergic state in heart failure. Front Neurosci 2017; 11: 162.
ラスバル整骨院
栁澤 昂希
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