気がつけば下北沢。他人と暮らす日々のはじまり
「いや、なんならね。
生活をともにするのは、あきちゃんじゃなきゃ嫌だと思ってるよ」
下北沢で人気のカレー屋『茄子おやじ』の店内で、こう言われたのは2021年の5月のこと。
外はすでに初夏を感じさせる気温。
わたしも机の上のグラスもほんのりと汗をかいていて、思わず照れ笑いをしながら「プロポーズみたいだなあ」とぼんやり思った。
まっ昼間に突如こんなロマンチックパンチをかましてきたのは、編集者の先輩であるPさんだ。(本人によると、ラッパーのPUNPEE氏に似ていると言われたの