見出し画像

【恋愛小説】これを愛と言うのか、忘れたいと思うのか(6)

 怒りなのか悲しみなのか、よくわからない。
ユキの娘が来る予定も消え、部屋で酒を煽ったが、さっぱり酔えなかった。

 祝日もあったから、数日頭を冷やす時間があったことが救いだ。

 シンジは、ユキの心を今でも縛り付けている。安定した環境を捨てられず、子供が大切だっていうのは建前で、満たされない性欲と男として求められない寂しさを埋めたいだけにユキを利用した。
 
 ユキもユキだ。もっと、毅然にしてればいい。不倫女という蔑まれた立場で、振られても尚、シンジを愛するのか?どれだけ自分を下げているんだ。安い女だな。

ここから先は

1,275字

¥ 100

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?