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【連載恋愛小説】これを愛というのか、忘れたいと思うのか

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間も無く50歳になる、桜井貴哉。1人の女性の出会いから、心を無くしていた自分に気がつき、心を取り戻していく。愛するほど、憎悪も味わうことを初めて知る。切なく優しい愛のカタチ。
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#始まり

【恋愛小説】これを愛と言うのか、忘れたいと思うのか(3)

【恋愛小説】これを愛と言うのか、忘れたいと思うのか(3)

 日曜日、朝早く目が覚めていつものようにコーヒーを飲みながら、落ち着かない数時間を過ごしていた。こんな時は、妙に時間がゆっくりと進む。

 待ち合わせ場所に、だいぶ早く到着してしまい、近くのコンビニでタバコを吸っていると、雨宮が歩いている。

 水色シャツをゆるく着こなして、黒のパンツとスニーカーというラフな格好。

 初めて見る私服姿を目で追ってしまう。

 急いで車に乗り込んで、雨宮とピッタリ

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